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青ソファ、黄ソファ、赤ソファの三色からなる「徳ソファ」から分離したうちの一人。三人がふたたび一人に戻るとき、大勝利が待っているという。
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※本記事はリブセンス社のオウンドメディア「ドアラジオ」閉鎖に伴い、許諾を得た上で再掲したものです。取材時期は2015年ですので現在と異なる部分もあります。あらかじめご了承ください。
東京都内で「市場でごはん!」「市場を見学しよう!」となると、やはり築地市場が思い浮かびますよね。日が昇る前から美味しいもの好きの人や外国人観光客が寿司屋や洋食屋に行列を作ったりしていて、東京屈指の人気観光地でもあります。
ではこちら、築地をご紹介……とは問屋が卸しません(市場だけに! というか閉鎖しました)。
ところで、東京都内には築地以外の市場も沢山あるのはご存じでしょうか。
東京都の「中央卸売市場」は、現在築地を含めて11ヶ所(2015年2月現在)あるのです。
おおっ、こんなに沢山あるんですね。それなのになぜか築地ばかりがチヤホヤされるのは可哀想ではありませんか。他の市場だって、見どころや美味いメシが待っているかもしれません。
どんな感じか気になりませんか?気になりますよね。気にならないと記事にならないので気になったことにしてくださいお願いしますお願いします。
……というわけで、実際に見に行ってみましょう!
でも、
「えっ、築地以外の市場があるのは知ってたけど、シロートが入って良いの?」
という方もいるかもしれません。
あまり知られていないのですが、実は個人であれば事前申し込みは不要、自由見学です!
※団体の場合は要相談です。
では、早起きしてどんどん巡ってみましょう!
その① 足立市場
まずは足立市場です。築地に飽きた散歩の達人たちがまず次にやってくるのが足立なのかもしれません。場所は京成線の千住大橋駅から徒歩3分ほど。
こちらは現在では水産物専門の市場で、見学しがいがある点もNEXT築地として名をはせている理由のひとつでしょう。またこちらの写真のように、比較的入りやすい雰囲気も良いです。
こんなところ入っていいの?とビビってしまいますが、大丈夫です。ターレに轢かれないよう気をつけながら歩けば大丈夫です。ずんずん進みましょう。
この日は来るのが少し遅かったようで、殆ど片付けモードでした。残念。
気を取り直して腹ごなしといきたいところですが、入り口のあたりには飲食店が並んでいます。寿司屋、定食屋などどれも甲乙つけがたしの魅力があります。
でも今回は、足立市場の場外、すぐ隣にあるこちらのお店をご紹介したいと思います。
この建物の2階にあるのが【カフェ食堂 みどり】です。食事に強い喫茶店にハズレなし!
店内も魅惑のメニュー群でいっぱい。有名人やTV番組のサインもチラホラと貼ってありました。
こちらが5点盛りの刺身定食です。
味も新鮮そのもので美味しい!
でも本当の一番のオススメは「ゆで豚と刺身定食」だそうです。そう、魚の市場が近いからといって魚がオススメかというと別にそうでもない、というのがこの世の定説です。豚肉レコメンドですからね。でもこのお店なら絶対何を食べても美味しいでしょうね!
その② 北足立市場
足立の次は近くにある北足立市場を訪れました。こちらは日暮里・舎人ライナーの舎人公園駅から駅を突っ切って歩き10分ほどの位置です。青果と花き(草花のことです)を扱っています。
元は、手狭になりつつあった足立市場から分離移転するかたちで開場されたそうです。足立市場は水産物専門ですので、扱い品は棲み分けされています。
場内は結構コンパクトですが、その分間近で様子を見ることができます。
訪れたタイミングでは、みかん、いよかん、甘夏、デコポン、金柑などの果物が充実していました。なるほど、当たり前といえば当たり前ですが、こういうところで働いてれば旬の果物が実感できるわけですねえ。
さて、北足立市場の食堂街のある建物にやってきました。ここの2階にあるようです。
……と思ったら、シャッター通りです。この日は平日なので休みなわけないハズなのですが……。
数件営業していたうちの一件、【喫茶アイリス】に入ります。
マダムにこの食堂街がどうなってるのかを伺ったところ、この喫茶アイリスの他2店を除いて閉店してしまったそうです。あまりニーズがなくなってしまったのでしょうか。後で調べたところ、美味しそうなお店ばかりだったので残念です。
アイリスでは喫茶メシとして、オムレツ定食をチョイス。
味の濃い肉そぼろ的な中身のオムレツはオカズにピッタリでした!ご飯も市場の男のニーズを満たす量なので文句なしです!
その③ 食肉市場(品川)
次に訪れたのは、品川駅の港南口から徒歩3分ほどのところにある食肉市場です。こんな都会のど真ん中に市場が!? という風に思われる方もいるかもしれません。
こんな外観でオフィスビルっぽいので、気付かないのも無理はないかもしれません。こちらは他の市場とは違って、肉を扱う市場です。中には「と場」があることもあり、見学はできません。
中の見学はできないものの、「お肉の情報館」という資料館があり、ここでどのような流れで牛肉や豚肉ができているのかを学ぶことができます。牛の枝肉の実物大模型もあり、色んな意味でタメになります。平日昼間のみ開館がネックですが……。
また場内の撮影が禁止なので写真はありませんが、正門からすぐのところに【一休食堂】という食堂があり、こちらは一般人でも自由に入れます。もつ煮込みが絶品なので、気になる方は是非行ってみてくださいね。
その④ 大田市場
続いては、大田市場です。これまた一般的にはあまり知られていない可能性もありますが、青果、花き、水産物全てを扱う総合市場で、かつ青果と花きは東京で一番の規模とのことです。
アクセスは少々不便で、東京モノレールの流通センター駅からだと徒歩で15分くらいかかります。バスだと品川駅と大森駅から大田市場行きが出ています。
その代わり大田市場は見学者コースが整備されているので、プロに気兼ねなく見学することができるのが大きな特徴です。小さなお子さん連れでも見やすそう!
おおおお〜〜〜!!
高いところにある見学者コースからは迫力の市場の熱気を目の当たりにすることができます!
これぞ市場!って感じがして、労働の尊さを感じます。この人たちのお陰で身近に果物や魚が並ぶのだなあ、と思うと、ありがとう〜〜と叫びたくなります。
(これは実際行っていただければ理解いただけると思いますが、割と大げさでない話です)
水産物の市場のほうも活気づいています。やはり眺めるなら果物より水産物のほうが楽しいですね。まあ言ってしまえば果物は要はほぼダンボールばっかりだし……。
タイミングよくマグロのカマやほほ肉を取っているところに遭遇したので、お願いして撮らせていただきました。大迫力、そして美味しそう……!
美味しそうなお魚たちの様子を見たら腹が減りました。
大田市場内には2ヶ所に飲食店があります。ひとつめは水産物の市場近くにあって、飲食店のみならず床屋や雑貨屋なども並ぶ商店街があります。
そしてもう1ヶ所は、正門近くの事務棟のほうに少しだけ飲食店が入っています。
今回は、事務棟にある【大松】に入ることにしました。
大松の名物は、明らかに丼に収めることを最初から放棄している穴子天丼です。
このビジュアルにまんまとやられてしまいますね。もちろん見かけ倒しではなくきちんと美味しいです。
マスターに伺ったところ、あの長嶋終身名誉監督はこちらの「銀だら西京焼き定食」を食べ褒めてくれたとのこと。こちらも隠れオススメメニューかもしれませんね。
その⑤ 淀橋市場
最後にやってきたのは、JR総武線の大久保駅から徒歩5分ほどにある淀橋市場です。
こちらも青果が専門。大田市場、築地市場に次ぐ規模ということですが、ギュッと密度が濃い空間です。仕事の邪魔にならないよう、かつ堂々と入りましょう。
淀橋市場では殆どターレの姿を見ません。代わりにこの通称「マイティーカー」が主流です。電動アシストのリヤカーみたいなもののようです。
淀橋市場の一角には、飲食店が2店だけ存在します。あとは地下に関連会社の社食もありますが、そちらは一般利用不可とのことでした。
今回はこちらの【ラーメン あづま家】に入店します。もう外観からして美味しそう!
店内はテーブル4席ほど。常連のプロたちを「○○さんいらっしゃい!」と名前で呼ぶマスターが印象的です。
「ラーメンおかわり」というメニューが気になります。「替え玉のようなものですか?」と聞くと、
「替え玉じゃなく、二杯目としてこの値段で出してます。ただしチャーシューは付きません」
とのこと。
なので、
一杯目! いや〜 30歳過ぎるとこのタイプのラーメンが一番美味しいんです。若者よ、コッテリラーメンを沢山食べられるのは若いうちだけだゼ……そしてこいつの本当のウマさはまだわかるまいて……。
マスターいわく「朝から食べてもらうからアッサリめにしてます」とのこと。ズゾゾゾッと一挙に食べ、残り1割ほどのところで「ラーメンおかわり」を発注。
すかさず二杯目が登場。チャーシューが乗ってないのが違いになりますが、単なる替え玉と違い汁も二杯分でこの価格はオトクかもしれません。敢えて一杯目のチャーシューを1枚残し、次の丼に移植するプロもいるとか。
なお「ラーメンおかわり」はホフディランの小宮山さんも愛しているとのマスターからの情報です。小宮山さん、凄いマニアックなところ攻めてきますね……。
いかがだったでしょうか。
築地以外にも見て楽しい、食べて楽しい市場がアチコチにありました。今回ご紹介した以外にも、世田谷、豊島、葛西などにも市場があるので、築地ばっかりチヤホヤしないで素人があまり知らない市場巡りもひと味違った発見があって良いのではないでしょうか!
……しかしながら人気者の築地センパイも、既に2016年11月(予定)には豊洲に移転することが決まっています。築地の今の姿を見られるのは、実はあとわずかなのです。なので、市場巡りは築地のほうにも寄っていきましょう!
→2018年10月閉鎖しました。
【注意】あくまで卸売市場はプロの職場なので、見学はお仕事の邪魔にならないよう十分気をつけましょう。だいたい9時以降はどこのお店もピークが過ぎ比較的ゆったりしますよ!
※記事内容は2015年のものです。現況と異なる場合がありますので訪れる際は改めての事前確認をお願いいたします。
(おわり)