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サンリオが大好きだ。
愛と夢とノスタルジーの結晶、それがサンリオだとわたしは思う。
現在は、年間パスポートでサンリオピューロランドへ通う熱心なサンリオファンとなったわたしだが、サンリオの原体験といえば、やはり子供の頃である。
子供の頃、家の近くにサンリオショップがあった。
昔は、いかにも個人経営という感じのサンリオショップが住宅街によくあったのだ。
しかし、やすやすと連れて行ってもらえる場所ではなく、ねだって、ねだって、ねだり抜いた末にやっと行ける、特別な場所だった。
そこで買ってもらったマイメロディの小さなアクセサリーは宝物で、飽きることなく一日中眺めていられた。
そんな子供の頃のサンリオの思い出に、また触れられる場所がある。
清瀬にある「サンリオショップ ポッポ」だ。
これは30年前の写真ではない。2019年3月現在、元気に営業中である。
店名のポップを持ったハローキティが迎えてくれる。
子供の頃、サンリオショップでピューロランドのポスターを見て、「行ってみたい」と母に言ったら、「前に行ったことあるでしょ」と言われたことがあった。
「行ったけどアンタつまんないって言ってたじゃない」と。
親がそう言うのならそうだろうと納得して諦めたのだが、最近確認したらそれは嘘で、一度も連れて行ってもらったことは無かったと判明した。
今、自分で働いたお金で、月に1〜2回もピューロランドに行っているよ、お母さん。
自動ドアには、ハローキティとけろけろけろっぴ。
その上に貼ってあるシールには、昔のピューロランドのロゴが描かれている。
かなり古いシールだろう。
店内に一歩踏み入れると、そこは確かにサンリオショップだった。
でも、よく行く新宿の「サンリオギフトゲート」とは全く違う。
薄暗い店内にサンリオグッズがごちゃごちゃと並ぶこの感じは、あの頃のサンリオショップそのものだ。
子供の頃、母親にねだって連れて行ってもらった、あのサンリオショップがそこにあった。
フタ付きのプラケースにお菓子が入った光景も、あの頃見たのと同じだ。
いつもプラケースに沢山の小さなお菓子が入っていて、好きなものを選んでカゴに入れるシステムだった。
今も全く同じシステムが残っていることに、心が震える。
さらに、このカゴを見た瞬間に涙が出そうになった。
私はこれと全く同じカゴを使って、お菓子を選んでいたのだ。
サンリオショップのお菓子はめったに買ってもらえなかった。
そのために、あの日の思い出はいまだに脳の片隅で鮮やかに輝いている。
ハローキティがプリントされた袋に入ったマシュマロが大好きだった。
これも当時のものだろう。
これに入れるような大きなグッズは買ってもらったことが無いけれど。
蛍光灯にS字フックで商品を吊るす、大胆なディスプレイ。
タオルも吊るす。
スペースの有効活用だ。
手書きの「ノラネコランド」がかわいいポップ。
「めも」「ばいんだー」平仮名で書くのはファンシーの基本。
この「ハンギョドン」のイラストもすごく上手い。
さっきのノラネコランドといい、サンリオへの愛を感じる絵だ。
手書きじゃないポップも良い。
サンリオショップで買ったアクセサリーを着けてお出かけするの、考えただけでキュンとしちゃうね。
わたしはもったいなくて使えないタイプの子だったけれど。
かがみでチェックしてネ! とハローキティからのメッセージ。 「ジャンボ宝おとし」というクジ引きがあった。
これは他のサンリオショップでは見たことがない。
(他のサンリオショップにあるのは三角形のくじを手で引くものである)
やりたかったけれど、店の人に「今日は中に何も入れていないからできないの」と言われてしまった。
何も入れていないのか〜。そういう日もあるよね。
店内の商品を見ると、いかにも古そうなものが沢山ある。
いつからあるのだろうか。このおもしろボックスは。
この掛け時計はすごく欲しい。次行ったら買ってしまうかも。
店の人に、これはいつからあるんですか? と聞くと、「わからないけどずっと前」とのこと。
店自体は30年か36年くらい前からやっているそうだ。
30年と36年はかなり違う。全体的に曖昧である。
ちなみに、商品は古いものだけではない。
このあたりはどのサンリオショップにもある新作だ。
この棚を見ると、自分がタイムスリップしたのではないということに気付くことができる。
サンリオと関係ない木製玩具も並んでいる。
サンリオに興味がなくても、木製玩具を買いたい時はポッポへ行くといい。
レジ横のショーケースには、時計と電卓。
大まかに「機械」みたいなカテゴリ分けなのだろうか。
レジの様子。
商品をレジに持っていくと、老眼のためだろうか、店の人が虫眼鏡で値札を見て、ひとつひとつレジに打ち込んでくれた。
都心のサンリオショップでは流行のJ-POPが流れていることが多いが、ポッポの店内BGMは、このラジオから流れる「爆笑問題の日曜サンデー」だった。
子供の頃行ったあの店は、知らない間になくなってしまった。
できることならもう一度、あそこに行ってみたいと、いつも思っていた。
同じ気持ちの人は沢山いるのではないだろうか。
そんなあなたのことを、ポッポは優しく受け止めてくれるだろう。
あの頃のわたしと、今のわたしを、サンリオが、ポッポが繋げてくれた。
そして、もっとサンリオが好きになった。
愛と夢とノスタルジーの結晶。小さな頃からずっと心の中にある宝石。それがサンリオである。
ポッポで購入した、他店では見たことがないサンリオグッズ。
マイメロディの耳かきや、ハローキティのアイシャドウチップなど。
この値札はいつから付いているのだろうか。
ポッポの歴史を思った。
※写真は撮影許可を頂いております