【世間の商品に学ぶ】みんな誰でもナンバーワンになれる!【No.1商法】

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赤祖父(赤ソファ)
青ソファ、黄ソファ、赤ソファの三色からなる「徳ソファ」から分離したうちの一人。三人がふたたび一人に戻るとき、大勝利が待っているという。

世の中はナンバーワンに溢れている

ある日ノンアルビールを飲んでいてふと気付きました。

ほうほう、ノンアルビールの売上ナンバーワンはアサヒのドライゼロなのか、ちょっと前まではサントリーのオールフリーだった気がするなあ……と。

売上ナンバーワンの根拠も記載されていました。

インテージSRIノンアルコールビールテイスト飲料市場
19年9月〜20年8月累計販売金額

なるほど。調査会社のインテージ社の調査結果であると。様々な業種のPOSデータを集計していて、ライバルのノンアルビール商品と比較してナンバーワンであると。わかりやすいナンバーワンです。

ふだん何気なく買っている商品にもナンバーワンの品物が結構あることに気付きました。まあナンバーワンなのでイチ消費者である自分が買う確率もまた高いのでしょう。

例えばこの発売当時は画期的だったキッコーマンのペットボトルタイプの醤油。


外国人が日本の空港に降り立つとまず醤油くさいのが気になる、というくらい日本は醤油の国。その醤油でナンバーワンというのは相当なものです。








「ナンバーワン」の前提がだんだん気になってくる

ナンバーワンの商品が自分の身の回りに沢山あるような気がしてきましたが、よくよく見るとなんだか前提が怪しいものが気になりはじめました。



例えば、こののど飴もナンバーワンでした。

「フルーツのど飴売上」のナンバーワン。つまりフルーツ以外の漢方っぽいやつとかビタミンがどうとか的なのど飴は別ジャンルカウントというわけですね。キッコーマンの例のように「醤油」の王者みたいな、誰が見てもナンバーワンだな、というわけではなく、のど飴界の中でもボクシングや柔道のように階級が細分化されている。確かに、商品によっては同じジャンルで語れないものも多くあります。すきやばし次郎とスシローを同じ「寿司」ジャンルで語る人がいないのと同じで、ジャンルの細分化自体は必要なものかもしれません。

昔から超定番の塩せんべい、ソフトサラダ。こちらは「煎餅・あられソフト(塩味)」カテゴリにおけるナンバーワンだそうです。つまり「おばあちゃんのぽたぽた焼」や「味しらべ」とかとは別ジャンルだ、と。これもまあなんとなく納得はできますね。




こちらのスイーツは日経POSデータ「チルドショートケーキ・パイ」カテゴリーが出典。ただ約10年にわたってナンバーワン!

日清どん兵衛は丼和風カップ麺市場の売上ナンバーワンとのこと。ただし期間が20年1月〜12月ということなので、どう考えても19年以前は赤いきつねと緑のたぬきがナンバーワンだったことが推察されます。久しぶりもしくは初めてナンバーワンになったのが嬉しいという感じは伝わってきます。どちらも好きなので、今後も両商品とも切磋琢磨して高めあってほしいものです。



ロッテのチョコパイは「ビスケット・クラッカー市場」に該当するようです。あまりビスケット感がなかったので個人的にはちょっと意外なカテゴリーでしたが、その市場ではナンバーワンだと。まあ定番商品ですし理解できます。でもライバルってなんなのだろう。オレオとかルヴァン(旧・リッツ)とかがライバルに入るのだろうか?だとすると買う方は全然別物として考えている人が多いような気もして、あまりしっくりこないような……。



ロッテのブラックブラックガムは「眠気スッキリガムカテゴリー」のナンバーワン。そもそも他のライバルがあまり思いつかない。しかも確認時(2021年)で2019年までの集計というのもすこし胡散臭さを感じます。2020年のデータはないのでしょうか。

こちらのナンバーワンは「行列のできる店のラーメン」シリーズです。


「チルド2食ラーメンブランド」売上ナンバーワン。冷蔵コーナーで売っている、ちょっと一人暮らしだと手を出しにくい(めんどくさいし)例のコーナーですね。1食で売っているやつはライバル品にならないようです。こういう「細かい分類の刻み方」がナンバーワンを取る秘訣なのかもしれません。

こっちは規模がデカく出て、「世界で一番売れている冷凍炒飯」!
冷凍炒飯そのものがアメリカや中国にあれば別ですが、なんとなく日本で一番売れていればイコール世界で一番売れているような気がしなくもないですね。これもまた「ものは言いよう」な気もします。






売上以外のナンバーワン

今まで見てきたように、基本的にはインテージ社の統計情報をもとにした「売上ナンバーワン」を根拠に各商品ともナンバーワンを自称していることが見えてきましたが、インテージ社に頼らないナンバーワンを掲げるパターンもあります。

日本野菜ソムリエ協会主催 調味料選手権サラダ部門ナンバーワン」のドレッシングです。売上ナンバーワンではなく、ローカルな選手権の優勝選手。町内かるた大会優勝の実績を高らかにうたうパターンです。頭の悪そうな芸能人が取る資格として名高い野菜ソムリエかカラーセラピストですが、それは置いといてこのドレッシングは本当に美味しいのでナンバーワンに釣られて買ってよかったです。



自分がいつも愛食しているケロッグのグラノーラ。こちらは「いちごの量ナンバーワン」でした。グラノーラ的な商品は日清なども出しているのですがその中でナンバーワンということでしょうか。

「ケロッグのシリアル製品100gあたりの配合量で比較」
自社製品ラインナップの中でナンバーワン!!!!

……さすがにズルくね?
というか、そういうことならなんでもナンバーワン商品にできますね。






まとめ


昔の歌でこんな歌詞が流行りました。「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」と。
しかしここで確認した多くの商品たちのように「戦う相手を減らす」「自分だけのフィールドを作る」ことで、誰でもナンバーワンにもなれるのです。だから皆、自分を他人と比べて卑下しなくてもいい、特別なオンリーワンだとも思わなくてもいい。自分だって前提さえイジれば何かのナンバーワンになれる人間なのだ、と思ってもいいのではないでしょうか。

そんなふうに、おもしろインターネットナンバーワン(※)のハイエナズクラブは申し上げたいと思っております。

【おわり】

(※)2022年1月時点、筆者個人しらべ
(※)PV、はてブ数、言及ツイート数等の実際の数字の考慮をしない
(※)筆者が気に入らないサイトもしくは気に入らない参加者がいるサイトを除く
(※)YouTube、instagram、TikTok等を除いたホームページ形式のサイトに限る
(※)デイリーポータルZ、オモコロ等の企業運営サイトを除く
(※)月数回更新している元気のあるサイトを除く
(※)できて10年以内の若いサイトを除く