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立ち食いそば店、利用していますか?
私は結構そば好きなので、見かけるとついつい入ってしまいます。夜勤明けの寝る前の一杯なんかは最高です。
そば屋で呑むときは…とか、江戸っ子は汁をチョビっとだけ付けて食うんだぜ…とか、いや食うのではなく香りと喉ごしを楽しむもので…みたいなウンチクは求めておりません。スピーディ、リーズナブル、ハートフルに、ズルズルと心のスキマならぬ腹のスキマを満たしたい、ただそれだけなのです。ただそれだけなのです。そんな気分にピッタリなのが、あなたの街のファストそば店です。
※ここでは、「立ち食いそば」と言いつつ座席がある店も多数あるので、ファストフード的業態のそば屋を総称して「ファストそば」と呼ばせていただきます。
ところでそのファストそば店、どこにでもあるような気分になっていますが、実際のところどうなのでしょう。何となく気になったのでググったところそういうまとめが見つからなかったので、まとめてみました。
今回は東京23区内に限定し、店舗数の多い上位3店、「小諸そば」「富士そば」「ゆで太郎」に着目していきます。だってほら、全国とかやったら大変だし……。
その前に、簡単ですが三大ファストそばチェーンについておさらいです。
■小諸そば
23区内には84店舗(調査時点)でした。個人的にちょっと意外でしたが、実は23区内だけで言えば一番店舗があるようです。
オフィス街にあることが多いせいか土日は休みだったりランチタイムまでの営業だったりすることもあります。効率経営をしているイメージですね。
1974年に京橋に1号店、以来、東京以外では埼玉に2店、神奈川に1店のみと、都心集中主義を貫いています。つまり実は小諸そばはザ・東京フードとも言えます。地方から来たときの東京ならではの食べ物、ということで小諸そばに入るのもアリかもしれません。
■富士そば
23区内には78店舗(調査時点)でした。
正式には「名代(なだい) 富士そば」です。立ち食いそばっぽいですがほぼ全ての店舗が座席オンリーとのことです。店内で流れている社長作詞の演歌も独特の雰囲気を醸し出します。そうした謎の雰囲気や富士という名前も相まって、外国人観光客が訪れることもしばしば、とか……。多くの店が24時間営業のようですが、しかしそば屋的に一番稼ぎ時と思われる大晦日はしっかり休む(多分従業員のため)というあたり、なんだか社員に優しいイメージがあります。
1966年に渋谷に1号店、東京以外では埼玉、千葉、神奈川、あとインドネシアに1店あるらしいです。
■ゆで太郎
23区内には73店舗(調査時点)でした。
が、東京以外では埼玉、千葉、神奈川のほか、群馬、茨城、長野、宮城、富山、福岡、北海道、そして台湾にあるらしく、全国で見ると一番拡散してるチェーン店かもしれません。なお群馬の店舗に行ったことがありますが、ファミリーで入れる作りでした。一方で都内は立ち食いオンリーのダンディズム溢れる店舗もあります。1994年に八丁堀湊に1号店と比較的若いチェーンですが、勢いがありますね。数年後にはガラッと勢力図が変わっているかもしれません。なお酢だこさん太郎やキャベツ太郎とは無関係です。
さて地図作成の方法は、お馴染みGoogle MAPを利用して各社のホームページからコピペでプロットしていく、ただそれだけのスーパールーチンワークです。
【注】
※本記事は2014年6月末時点の情報を元に作成しています。また店舗ソースは各社ホームページの店舗情報です。しかし公式でも一部更新が適当な部分も見られた気がするので(笑)、気付いた部分は修正を入れていますが、それでも漏れ、閉店済み、新店、微妙な位置ズレ等があるかもしれませんがご承知おきください。
※本記事の内容は全て個人的な調査結果であり、正確性を保証するものではありません。
※すべて記事公開当時の情報であり、今後、当記事の細部修正を除くアップデートは予定しておりません。
そしてできた地図がこちら。
東京23区 三大ファストそば店分布図(小諸そば・富士そば・ゆで太郎)
緑:小諸そば / 黄:富士そば / 青:ゆで太郎
です!作っている最中は、こういうの各社の本部には貼ってあるんだろうなぁ、という想像をしていました。
しかし以前新宿地下の地図全体像を作った方が言っていたように、会社間の利害や権利の絡む俯瞰図は実はあまり無かったりするのですね。こういうものが無かったのも、やはり利害…いや、多分誰も気にしてないんだな。うん。
で、今回は特別に特大サイズ地図のダウンロードも可能です。ご活用ください!(もし転載とかするときは連絡いただけるととても嬉しいです)
ところで眺めていると、なんとなくのパッと見の戦況としてはこんなイメージですね。
都心の領土に戦力を集中的に固め覇権を握る小諸そば、
西と北から攻める富士そば、
東、南から攻めるゆで太郎、
といった感じで、三つ巴のまさに三国志状態、ワクワクしますね!
なお、23区東西南北の端っこの店舗は、
東:富士そば(小岩店)
西:富士そば(西荻窪店)
南:ゆで太郎(大鳥居店)
北:富士そば(赤羽店)
と、領土的には富士そばが制しているようでした。
さてここで、幾つか細かい各地の戦況を見てみましょう。
戦況① 富士そばの丁寧な各駅戦略
富士そばは丁寧に各駅前に店を配置していることがわかります。先に貼った大きい地図でも、中央線の新宿以降の各駅に配置してるのもわかりますよね。また池袋、大塚、巣鴨に見られるように、ひとつの駅をサンドイッチ的に店で挟み込む手法も特徴的です。駅を完全制圧しにきているといっても過言ではないでしょう。
戦況② 小諸そばの都心集中戦略
一方、小諸そばの都心集中戦略も見逃せません。もはや異様とも言える出店状態で、ゆで太郎を囲んでボコってるようにすら見えてしまいます。小諸そばは京橋、ゆで太郎は八丁堀の湊が創業の地らしく、そこへのコダワリもあるのかもしれません。
戦況③ 湾岸に強いゆで太郎
品川から南の大田区や、ベイエリアはゆで太郎のほぼ独壇場です。個人的にはゆで太郎新木場三丁目店の”さいはて感”が気になります。
ちなみに五反田がゆで太郎、渋谷が富士そばが多いのは、それぞれ本社があるからのようです。
戦況④ 局地戦
少し離れたポイントでゲリラ戦的な戦いも見られます。たとえば小岩では富士そばとゆで太郎が戦っています。他にも北千住(富士そばvs小諸そば)、蒲田(富士そばvsゆで太郎)などにも見られます。たぶん、戦略上は重視されているんだろうなぁ、と勝手に想像しています。
●色々な切り口でファストそば三国志を楽しむ
次に色々な切り口で戦況やランキングを見てみます。またマップ上ではわからないこともあるので、一部は実際に見てきました。
※測定はGoogleMAP上のメジャーを用いますが、多少のズレがあるので、実地で確認したものはなるべく地図ポイントではなく実状に合わせて補正しています。
■①超隣接タイマンバトルをしている店を心配する
【バトル勃発中①】
東京駅八重洲口のところ、地図上ではすごい近くです。気になるので実際見てきました。
見たらほんとに隣にありました。
しかも両店とも繁盛してました。
ほんとに隣のビル。いいんでしょうか。まあでも両方ともやっていけるなら良いのでしょうね。
ちなみに小諸そばは「東京駅前店」富士そばは「八重洲口店」と言います。こうやって微妙に呼び方をズラすのはライバル意識から来てるんでしょうかね。
【バトル勃発中②】
三田、ゆで太郎 芝店と、小諸そば 田町店がほぼ隣接していたので見てきました。
念のため、ストリートビューで事前確認。
うむ、小諸そばだ。そして
ゆで太郎ですね。ローソンを挟んでバチバチやってます。果たして状況はどうなのか、実際見てきました。
↓↓↓
あっ!!!
小諸そばがシャレオツな店に!!!ここでの勝者はゆで太郎だったようです。
勝利したゆで太郎の勝ち誇りっぷり。ここで一杯食べて行きました。
やはりタイマンバトルで相乗効果をあげるパターンもあれば、敗者に死がおとずれるパターンもあるようです。難しいものですね。
■②同一チェーンなのにすごく近隣に出店しているエリアを探す
次にこういう切り口で見てみましょう。
先に触れたように小諸そばの中央区集中出店は目を見張るものがありますが、しかし一定の距離を保っている印象もあります(だいたい150〜200mは離れています)。また一方で、富士そばの駅サンドイッチ式出店も特徴的です。北口南口、東口西口両方を抑えることでその駅を制圧しようという目論みでしょう。しかし、あまりにも近すぎるのは逆に大丈夫なのか?という不安も若干感じます。
そこで気になる、「同一チェーン店なのにすごく近い店」をまとめました。
【23区内ファストそば店 同一店舗間の距離が短い駅ランキング】
※ハイエナズクラブ調べ
5位:高田馬場 約139メートル 富士そば
たぶん、ここが1位を想像した方も多いのでは。しかし5位でした。
4位:荻窪 約133メートル※ただし地下道を通る 富士そば
駅サンドイッチ式シリーズの中でも距離が近かったです。しかし地下道を通るので心理的にはもっと遠いと思います。いちおうオマケ!
3位:新宿東口 約114メートル 富士そば
地図上のポイントがズレてますが、実際は青線の始点の位置にあります。でかい道路を隔てると直線距離以上の距離感を生むようで、実際の現場を見るとそれほど近い!って感じは実はしません。
2位:渋谷 約104メートル 小諸そば
渋谷の小諸そばは惜しくも2位でした。歩道橋を無視できる道もポイントが高かったのですが……。
そして……
1位:秋葉原 約91メートル 小諸そば
見事アキバが1位。2店がほぼ中央通りを隔てて向かい合うというちょっとおかしな状態。そこまでやる必要があるのでしょうか。
…というわけで、第1位の秋葉原の小諸そばを確認してきました。店名は秋葉原店と末広町店です。どっちも住所は外神田です。直線距離で約60mですが、実際にどれくらいかかるか、歩きました。
ちょうど近くに横断歩道もあり、普通に信号待ち込みで1分26秒で移動できました。
これなら気分によって秋葉原店と末広町店の使い分けることも可能ですね。
ちなみにここからストリートビューでグルグル見ると、視界に2店の小諸そばが見えることが確認できます。
■③小諸そば、富士そば、ゆで太郎の三店を選べる贅沢な駅を探す
大体この三大チェーンのどれかは駅の近くにあったりするものですが、三店「すべてから」選べる駅は実は少ないです。なので、そういったランチ時の贅沢な悩み方ができる駅を探しました。
今回は、普通に歩いて5分程度、すなわちおよそ500m以内の距離なら悩んで移動できる範囲、と設定しました。また「範囲」とは、なるべく実際歩く距離を前提とし、A店、B店を経てC店まで歩く距離(ハシゴするイメージ)としました。地図上での測定の結果、以下のとおりとなりました。
【三大チェーンをハシゴしたときの距離ランキング】
※ハイエナズクラブ調べ
5位:飯田橋 約473メートル
5位は飯田橋です。すべてが駅近くというさりげなくレアなパターンでもあります。地下移動が効率良さそうです。
4位:五反田 約407メートル
ゆで太郎の現在の本丸、五反田がランクインです。
3位:神保町 約400メートル
小諸そばの勢いが止まらない神保町もランクインしてきました。靖国通りの信号を渡るのが多少ネックになってきます。
2位:東銀座 約390メートル
意外なことに、東銀座が2位!ザギンでシースーはもう古い!これからはファストファッション着てファストそば!
1位:人形町 約300メートル
1位もこれまた意外なことに、人形町!!ファストそばに強いってイメージ、まるでありませんでしたね。
新宿や渋谷が入らないのはちょっと意外かも?でも渋谷、新宿、池袋、新橋も、上記よりは多少離れますが三大チェーンとも揃ってはいます。
また地図だけでは実際にどれくらいの時間がかかるかわかりにくいので、実際に人形町、東銀座、五反田を歩いて検証してみました。
【検証編①五反田】
まず4位の五反田です。
富士そばを起点にスタート。歩くうえでは桜田通りを渡るのがネックになります。
先の地図のルートでゆで太郎へ。信号待ち含めて5分かかっています。
そして比較的歩きやすい裏道を通って小諸そばへ。6分57秒でフィニッシュです。実際は5分以上かかってしまいましたね。ランチタイムにはイタいタイムロスです。
【検証編②東銀座】
次に2位の東銀座を検証します。
東銀座はゆで太郎からスタートです。
晴海通りを渡って、富士そば前へ。信号待ち含めても4分。結構いい感じかも。
ちなみにこの富士そば、歌舞伎座のすぐ隣という結構すごいシチュエーションにあります。そして最後小諸そばへ……
はい、6分19秒でした。歌舞伎座の真裏なのですが、やっぱり歌舞伎座はデカい!順位的には順当ですが、これだけの距離でも6分切れないんですね……。
【検証編③人形町】
そして最後に王者、1位の人形町です。
地下鉄の駅出口すぐ隣にある小諸そばからスタートです。
交差点のすぐ向かいが富士そばです。この交差点の信号は切り替わりがどっちの向きも早く、なんとここで1分43秒!素晴らしいタイムが期待できます。
そしてゆで太郎でフィニッシュ。ゆで太郎までは距離がありますが、それでも4分40秒!とまさにハシゴできる距離と時間であることが証明できました。これならランチタイムにフラフラしながら迷えますね!
結論:ファストそばでランチするなら、3店から選べる人形町で働こう!!!!
いかがでしたでしょうか。ファストそばの分布や出店戦略等を意識しながら、贔屓のお店に加勢していくのも面白いですよね。
本来は一大勢力である「あじさい茶屋」「大江戸そば」等を展開するNREの駅そば店や、小田急の「箱根そば」等も無視できない存在ですが、またいずれ折を見て特集できればと思います。
また、
「えっ、『梅もと』は?」
「いやいや『吉そば』を忘れては…」
「『都そば』も東京に来ていて……」
「『いわもとQ』も知らない情弱が!」
「新宿の思い出横丁にある『かめや』こそ…」
といった声もあると思います。ええ、わかってますわかってます。そうした第四勢力、第五勢力や非チェーン店も面白いと思いますし、それぞれの贔屓のお店についてメシバナするのも楽しいですよね。更に、「はなまるうどん」をはじめとするうどん系の勢いもある中、敢えてファストそば店でうどんを頼む通(?)もいたりと、そういう楽しみ方の切り口は沢山あると思います。さあ、もう今日の昼はファストそばですね!
それでは皆様、どうぞ良きファストそばライフを!
東京名物(?)富士そばのコロッケそば