【乗り鉄】JR大回り!140円で一都六県を旅する(前編)

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赤祖父(赤ソファ)
青ソファ、黄ソファ、赤ソファの三色からなる「徳ソファ」から分離したうちの一人。三人がふたたび一人に戻るとき、大勝利が待っているという。

こんにちは。ハイエナズ鉄道クラブ会員の赤ソファです。

2014年4月からの消費税増税に合わせてJRもまた運賃改定を実施しましたね。Suica等のIC乗車券では1円単位の料金となりましたが、東京のきっぷでの初乗りは切り上げで140円となりました。

そんなわけで10円値上がりした分のモトをとってやろうじゃないか!というハイエナ的発想のもと、JR東京近郊140円大回りの旅を敢行することにしました。

「なにそれキセルじゃねえの?炎上だ炎上!!」と意気込む前にどうかお待ちください。これはれっきとした正規のルールでの乗り鉄スタイルなのです。鉄道に興味がないどころか鉄オタはキモいし勝手に人んちの木を切ったりしてるらしいし死ぬべしとお思いの皆様も、キムタクのマネ「チョ、マテヨッ」を思い出しながら私の話を聞いて下さい!!!(しかし人に迷惑かけてる鉄オタはダメですねほんとに…)

 【140円大回りとは?】

そもそも140円大回りの理解に必要なJRのルールをザックリとご説明します。詳しくはググれば幾らでも出てきますが、最低限おさえるべきところを簡単に。

●「東京近郊区間」というものがある。

10

(JR東日本ホームページより引用。上記は2014年4月時点の情報です)

東京以外にもこの「大都市近郊区間」という考え方があるのですが、実質首都圏で仕事や学校に通われてる方はだいたいこの範囲に住んでると思うので、特別ルールが通常ルールのようになっていると思います。まあまずはこういうククリがあるのだな、くらいでOKです。

●東京近郊区間内では、特例で「実際に乗る経路」にかかわらず「最も安くなる経路運賃」で乗れる

上記の区間内では、取ったルート如何にかかわらず原則として「最も安くなる経路」で運賃が計算されます。まあ例えば一口に「新宿→秋葉原」と言っても色々な行き方ができそうですよね。それをいちいち経由路線を限定するのも難しいからまぁいいよしょーがない、ということでしょうか。とはいえ…というわけで次のルールです。

●「最も安くなる経路運賃」で計算されるが、それは「重複しない経路」に限る。

どういうことかというと、要は「一筆書き」で行かねばならないということです。

例えば新宿→秋葉原に行くには、中央(総武)線、山手線外回り、内回り、どのルートでもOKですが、以下の場合はNG、立派なキセルになります。

・山手線を一周して新宿に戻ってきてから中央(総武)線 →新宿で重複になりNG

・一旦錦糸町まで行ってから、秋葉原まで引き返す →秋葉原以降が重複になりNG

※なお居眠りや酔っ払って乗り過ごしたなどの場合で対向列車で引き返すこともあると思いますが、これはあくまでJR様の善意に頼っていることをお忘れなく…(詳しく確認したければ「誤乗」「無賃送還」でググりましょう)。あと、山手線何周もグルグルというのも普通のきっぷではキセル乗車です。

また「一筆書き」なので、必然的に上の路線図を見ていると、どこまで行けてどこは行けない(盲腸路線)というのが見えてきますよね。例えば水上、横川、奥多摩、松本といったあたりは一筆書きが物理的に不可能なので今回の旅で行くことはできません。

●途中下車はできない

首都圏住まいの人は、そもそも普段の生活で上記のエリアから出ることもあまりないと思うのですが、このエリア外、かつ片道100km以上の旅程のきっぷの場合は「途中下車」という、例えばA駅→C駅のきっぷを買ったが、途中のB駅に降りることができる、というルールがあります。まぁTV番組の「途中下車の旅」は大体上記エリア範囲内なので「ニュアンスとしての途中下車」であり、実際は都度きっぷを買うか特別の乗り放題きっぷを使ってるか、あるいは実はロケバスで移動してるかってことになりますよね。

で、これは当然ダメですよ、ということです。まあ、新宿から秋葉原に行く途中、信濃町に寄りたかったらきっぷを買い直しますよね。いつも皆さんが普段ふつうにしていることと同じイメージで大丈夫ですが、この140円旅の場合、ヒジョーに重要な意味を持ってきます…。

なお細かいことを言うと、Suica等ICの場合は…とか、特急やグリーンも利用可…とか、途中下車の例外駅の話とかもあるのですが、その辺は気になるようであれば調べてくださいね。取り敢えずは以上をおさえておけば大丈夫です。

というわけで、上記4つを大原則として、旅程を立てましょう!

【旅の計画をを立ててみよう】

ある程度の近場ならともかく、遠くに行く場合は事前の下調べは必須です。帰れなくなったら元も子もないです。

計画を立てるには、頻繁に列車が来る通勤路線は「駅すぱあと」や「乗換案内」等のWebサービスで良いと思います。これと少し地方に外れる場合は必ず時刻表を買って計画しましょう。乗る列車を決めるのはWebサービスだけではなかなかメンドクサイです。

また、この旅は好きなところ、自分の家の最寄り駅からも始められるのが良いです。

ぼくは阿佐ヶ谷に住んでいるので、今回の大回り旅も阿佐ヶ谷スタートにし、隣駅の高円寺までの旅程をこのように立てました。なお普通に阿佐ヶ谷から高円寺に行くと、ひと駅、運賃は140円で2分で着く距離です。

(発時刻&発駅、路線、着時刻&着駅&発時刻…の順で記載しています)

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0429 阿佐ヶ谷
中央線
0450 西国分寺
0506
武蔵野線
0617 西船橋
0629
総武本線
0652 千葉
0658
内房線
0849 館山
0852
内房線
0933 安房鴨川
0939
外房線
1008 勝浦
1022
外房線
1120 大網
1124
東金線
1140 成東
1148
総武本線
1213 佐倉
1217
成田線
1230 成田
1245
成田線
1326 我孫子
1346
常磐線
1423 土浦
1434
常磐線
1510 友部
1519
水戸線
1620 小山
1627
両毛線
1817 高崎
1903
八高線
2028 高麗川
2046
八高線
2124 八王子
2133
横浜線
2144 橋本
2153
相模線
2249 茅ヶ崎
2255
東海道線
2346 東京
2357
中央線各駅
0026 高円寺

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いいですね、この人生の無駄遣い感!

ひと駅2分で着くところに20時間かけて行くという計画です。

人間は死ぬ、みんな死ぬ、絶対死ぬ、という尊師の言葉が頭の中でリフレインするようですが、これを後は実行あるのみ!です。なお当日のダイヤ乱れ等に備えて時刻表を持つこと、また万が一にもキセルを疑われないよう、こうした旅程のメモも持参することを推奨します。

ちなみに、ルートを地図上で見るとこんな感じになります。

oomawari

このルートを140円で旅できるなんて超オトク!と思いますよね。

asagaya

これはスタートの阿佐ヶ谷駅(左側の赤線がの始点駅)と高円寺駅(右側の赤線の終点駅)の拡大図です。ふつう、阿佐ヶ谷から右側に進む列車に乗れば2分で済むのですが、敢えて逆に進むのです。決して初代マリオブラザーズの画面じゃないですよ。現実の話です。

あっそうそう、ルールの「途中下車はできない」のとおり、改札からは一切出られませんので、事前に非常食は充分に用意したほうがいいですよ!昼飯どきに東京駅や品川駅などのエキナカ充実駅に寄れるように組むのも手ですが、今回は無理そうです。改札から出られないのに遠くに行って意味あるの?とお思いの方、たぶんその疑問は普通に正しいです。

でもね、やらなきゃいけないんです、乗り鉄なら。

IMG_0870

というわけで、次回実践編につづきます!