歯科衛生士なのに子供にムシ歯ができてしまったので本気を出した

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こんこん
主婦です。歯科衛生士をしながら時々ブログを書いています。

もうすぐ2歳になる息子に初期のムシ歯があることが発覚した。

予防歯科の歯科衛生士として10年以上働いてきた私にとってショックな出来事だったが、間食などの取り方には気をつけていたものの、まだ授乳もしているし歯磨きも嫌いでろくに磨けなかったのでまぁしょうがないと気持ちを切り替え現在はこのまま巣穴をでかくしてたまるか!と闘志満々、身も心も焼き尽くす思いでいる。

我が家ではデンタルエリートを目指して0歳から口周りを触られても大丈夫な子に育つよう意識して口周りを触ったり歯茎をマッサージをするなどしてきた。ところが成長とともに自我が芽生えると歯磨きを嫌がりムシ歯までできてしまった。また少し成長すると歯磨きもスムーズにさせてくれるようになるとの話も聞くのだが、そうなるにはもう少し時間がかかるのではと感じている。

↑てっきりデンタルエリートとして成功していると思っていた生後9ヶ月の頃。この頃は歯磨きを嫌がらなかった。

まずは授乳やめれば?との意見もあると思うが、本人が全く辞める様子がないので断乳・卒乳は今の所考えていない。子供の意見を尊重したいと思っているので乳が飲みたいというのも歯磨きが嫌という意思も聞き入れようと思っている。また授乳期間が2歳以上であると口腔機能を向上させ不正咬合が少ないという歯科医の意見にも関心があったので(※)、本当にそうなるんかねと実験的に乳を飲ませている面もある。

話は少々脱線したが、では闘志満々、身も心も焼き尽くす思いでいる私が歯磨きの嫌いな息子に何をするかというと、

ムシ歯の歯に歯垢を溜めない

嫌いな歯磨きを「磨かせてもいいよ」くらいのモチベーションにさせる

ということだ。そしてこの二つの目的を達成させるためには歯ブラシが重要だということに気がついた。

1、ムシ歯の歯に歯垢を溜めない

これ以上ムシ歯が進行しないようにするためには、ムシ歯になりかかっている場所に歯を溶かす要因となる歯垢(プラーク)を溜めないようにすることが第一である。そのために大事なのは1日1回患部に確実に歯ブラシをあててこすってあげること。なので子供が「ムシ歯ですね」と言われた場合は、一体どこの歯のどの部分がムシ歯なのかを親がしっかり確認する必要があるので歯科医師にむし歯の状況をよく説明してもらうと良い。

歯を磨く順番はまずムシ歯のところから磨いていく。2歳児の集中力というのは本当に儚いものなので、とにかく1番やばいところから歯ブラシをする。もし嫌がってもとりあえず一番リスキーなところが磨けて入ればそれでokということにし、たとえ全部磨けなくても子供を褒めてその日は終わりにする。今日はもうちょっといけそうだなという時は左上の咬合面、左右下の咬合面、前歯と磨きにくいところから磨いている。

ムシ歯でも必ず治療が必要というわけではなく、まだ初期の状態であれば歯が抜けるまで維持することが可能なのでそれを狙っている。もしムシ歯の治療が必要でも今の年齢では暴れて治療ができず3歳くらいまで先送りになるため、ムシ歯が進行して痛みがでないようそこをしっかりブラシでこする必要があるのだ。

2、嫌いな歯磨きを「磨かせてもいいよ」くらいのモチベーションにさせる

歯磨きを嫌がっている子供には「歯磨きって楽しいもんだな」と思わせることが大事なように思う。歯磨きを楽しい時間にするために最近行きついた方法は、好きなキャラクターの歯ブラシや色違いの歯ブラシを何本か用意して興味を引かせる方法である。

たくさんの歯ブラシに興味津々の息子に「どれが良い?」と選ばせると「これ」と歯ブラシをとって自分で磨き始めたり、キャラクターを指差し喜んでくれる。途中で拒否をしても「じゃあこっちで今度磨いてみようか」などと歯ブラシを変えてあげることで本人の気分も変わり、また少し磨かせてくれるようになる。

「歯ブラシ選び」について

口の中に何かが入るのを嫌そうにする息子には、なるべくヘッドの小さい歯ブラシを選んでいる。あとは安いもの。これが結構重要で、子供は歯ブラシを噛んですぐにダメにしてしまうので潔よく処分できるようコスパの良いものを選んでいる。本人が磨くならボロくなったものをしばらく使っても良いが、仕上げ磨きは効率よく歯垢が取れることが重要なので、噛んで広がってしまった場合は速攻交換。ボロボロの歯ブラシは掃除に使って処分するようにしている。

毛先が広がっていなくても3週間から1ヶ月くらいで交換するようにし(だいたい噛まれるのでそんなにもたないが)、常に歯ブラシを良い状態にキープできるよう多めにストックをしている。この点は大人の歯ブラシも一緒である。以下私の最近のお気に入りの歯ブラシである。

☆お気に入り歯ブラシ3選(1〜3歳)

赤ちゃん本舗 仕上げ用歯ブラシ

 ↑アカチャンホンポの歯ブラシは49円と大変ありがたい価格設定で容赦なく取り替えられる。安いのに毛の密度も高くヘッドも小さく使いやすい。コスパ最強歯ブラシだ。

サンスター仕上げみがき用#66

↑ミッフィーちゃんの可愛い歯ブラシ。可愛いだけでなくヘッドの形が最高で、やわらかくこしもある。特に萌出中の奥歯を当てるのに最適。値段は200円くらい。永久歯が生えてきたお子さんの仕上げ磨きにも使いやすいかと思う。

EBISU乳幼児用 やわらかめ0.5〜3才

↑ 現在トミカが大好きな息子のお気に入りの歯ブラシ。値段も100円くらいなのにこんなに可愛い歯ブラシを作ってくれてありがとうという気持ちでいる。カラーバリエーションも豊富、ヘッドも小さく使い勝手も良い。トミカの他にキティーちゃんとドラえもんがある。

「本人磨き」と「仕上げ磨き」

子供の歯磨きには歯磨きの習慣を身につけるための「本人磨き」とムシ歯を予防し口の中を清潔に保つために大人が行う「仕上げ磨き」とがある。

本人磨きと仕上げ磨きは目的や注意点が違うのでその点を理解することが必要だ。本人磨きの注意点で最も大事なことは歯ブラシをくわえたまま転倒し喉を突き刺すなど事故をおこさせないようにすることで、誤飲防止用のカバーがついたもの、グリップが太く握りやすいもので「本人磨き」をしてもらうと安心だ。

ところが最近、息子は仕上げ磨き用の歯ブラシで磨きたがるのでしっかり座らせてよく注意しながら本人が気に入った歯ブラシで磨かせている。(ちなみに仕上げ磨きは夜寝る前のみ行っている)

その他(歯磨き粉・フロス・手鏡)

歯磨き粉

フッ化物配合の歯磨き剤は歯の質が強化され、歯が溶ける要因となる酸に対しての抵抗性が高まるのでムシ歯予防に有効とされている。しかし歯垢が取れていない状態で使用してもその効果は十分に発揮されないため、まずは歯ブラシでしっかりプラークを落とすことが重要だ。息子は歯磨き粉が苦手で、歯磨き粉がついた歯ブラシを口に入れるとかなり抵抗をしていたのでしばらくは使用を控えていたが、最近、歯ブラシに関心を持つようになると歯磨き剤も使って磨いてみたいという意思を持つようになり、自分で歯磨き粉をつけて歯ブラシをするようになった。子のお気に入りは以下。

LION check-up gel バナナ味

↑ジェルタイプの歯磨剤で味もうす味で無発泡。米粒程度でもジェルが口の中全体にさらっと広がり、ベタつかず爽快感がある。歯磨き粉の味やベタベタが苦手という子でも使いやすいのではないかと思う。

歯磨き粉も様々なタイプがあり、味もたくさんでているのでいくつか用意してお子さんの気分に合わせて使っていくと楽しんでくれると思う。(乳幼児には歯磨剤の残りを拭き取ることや500ppmの低濃度の歯磨剤を使うことが推奨されている)

フロス

私はフロス愛が強いので子供にもさっさとフロスをしたいのだが、まだ歯ブラシもまともにできない状況なのでフロスはもうちょっと経ってからと考えている。その代わり「今からお母さんはフロスで歯っ歯をシーシーします」と言って自分がフロスをする様子を毎日子供に見せている。(じっと見ている)もしフロスも嫌がらずにできそうという場合はこども用フロスを使って前歯が生え揃ってきた段階で始めると良いと思う。

↑1万円で買ってきた恐竜のフロスでフロスをすることを楽しみにしている。(今のところ拒否)

手鏡

鏡を見ながらやるという技はこどもちゃれんじから盗んだもので、100円ショップで買ってきた鏡を見せながら歯磨きをさせてみたところ、自分で口を開けて眺めてみたりと口を開けることに対して自発的になった。さすがこどもちゃれんじである。

↑頑張る息子の様子 

↑オーディエンスの存在は子供のやる気を誘う

このようにまだハミガキ発展途上の我々ではあるが、本気を出して歯磨きに取り組んでからというもの歯磨きに対する子供の姿勢が変わり、私の手をひいて自ら洗面台に向かって歯磨きをしようと訴えさらには歯磨きが終わってしまうのが悲しくて泣くまでに成長した。お母さんの本気を見たか!という気持ちでいる。

「歯磨き嫌だ」という子供の気持ちによりそうことは大切だが、その結果どうなってしまうかがわかることが大人と子供の違いで、大人は辛い道を歩ませないよう知恵や工夫をして回避させる努めがあると思っている。もちろん大人が全てを知っている訳ではないのでわからないことは調べたり、専門家にアドバイスを受けることが大切だと思う。

私は「歯磨き嫌だ」という子供の気持ちに寄り添いすぎて踏み込むことが足りなかった。それが今回のムシ歯の問題だったと反省をしている。

私が行っているこの歯磨きのやり方が全てで正しいというわけでは決してないのだが、我が家にとっては現在ベストなやり方だと思って続けている。「イヤイヤ期で暴れる子供には抑えつけながら手早く磨くように」とアドバイスをする歯科医師の記事も見かけたのだが、その方が確実に磨けるかもしれないし、ムシ歯が進んで治療をすることを考えると拘束してやった方がいいのかなどと悩ましく思っている。

恥ずかしながら歯科衛生士なのに子供がムシ歯になってしまい、子供のホームケアに日々奮闘している。この記事が何か日常のヒントになることがあれば幸いだ。

参考図書

・「親と子の健やかな育ちに寄り添う 乳幼児の口と歯の健康ガイド」第3版 日本小児歯科学会 編

・子どもの”みかた”まるわかりブック デンタルハイジーン別冊

 (※)は岡田弥生歯科医師の考え

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