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こんにちわ。増田薫です。中華料理屋さんのオムライスをたくさん食べたので紹介します。
元々日本の洋食屋さんが作ったものというオムライス。中華料理屋さんのオムライスがいわゆる洋食のオムライスと大きく違うのは『バターや牛乳を使っていない』『中華系のダシ・具を使っている』というところ。オムライスというとわりとオシャレでかわいい食べ物のようなイメージがありますが、中華料理屋さんの場合は濃い味付けのガッツリした男飯という感じがします。デフォルトで結構量があることも多いです。
また、ざっくり大別すると『町中華系オムライス』と『中華アレンジ系オムライス』の二種類があるように思います。
町中華とそれ以外の詳しい違い(昭和からやってるとか、個人店とか色々あるみたいです)については割愛しますが、今回はラーメン餃子チャーハンの他に生姜焼きとかカレーとかを出しているようなお店の『オーソドックスなオムライス』が町中華系オムライス、『町中華系オムライス以外』が中華アレンジ系オムライス、くらいざっくり分類してみました。どんとこい!
長いので『中華料理屋さんアレンジ系オムライス』が先に見たい方はこちらからどうぞ。
●町中華系オムライス
シンプルにケチャップライスと薄焼き卵、それにケチャップをかけた超オーソドックスなオムライスです。そんなのどこで食べても同じじゃないかと思うかもしれませんが、卵がかた焼きだったり半熟だったり、ケチャップライスがしっとりしていたりパラパラしていたりべちゃべちゃしていたり、何よりケチャップライスに使われているダシがお店によって違うので味が違うんですよ!当たり前ですが。あと、なんだか偉そうなことを言いますがシンプルな内容なので料理する人の技術やこだわりの違いが結構出るような気がします。長年中華鍋を振り続けた達人が作るケチャップライスを食べたらきっと驚くと思います!
高円寺 七面鳥
雑誌やテレビでも度々紹介される名店、高円寺『七面鳥』のオムライスです。付け合わせにお新香、キャベツの千切りと中華スープが付いてきます。片面半熟に焼かれた卵とたっぷりかかったケチャップのコントラストがなんとも食欲をそそります。しっとりしたケチャップライスはチャーハンを転用したものなのか、こちらにも卵が入っていてボリュームたっぷり。中華屋さんのオムライスならではと言いますか、中華鍋で炒められて少し焦げたケチャップの香りがたまりません。650円。
高円寺 味楽
同じく高円寺の、こちらは特に腹ペコキッズからアツイ評価を得ている『味楽』のオムライスです。オムライス自体も大盛りですが、そこにキャベツの千切りとマカロニサラダがワンプレートで出てきます。パッと見は驚異的なケチャップの少なさですが、厚みがあるガッチリかた焼きの卵を開いてみるとケチャップと中華ダシでややベチャッとなるくらい味付けされていて食欲倍増、なおかつ豚肉がゴロゴロしていてボリューム満点!それでいてお値段なんと550円。最高!
武蔵関 金華
ケチャップライスが最もベチャベチャしていた武蔵関『金華』のオムライス。ベチャベチャというよりはもはや油にお米が溺れておりました。オイリーになった口にがっちり硬く焼いた卵の甘さと付け合わせの生野菜のさっぱり感が優しい。福神漬けが添えられていて、こんな付け合わせ絶対『ポ○の樹』ではありえないでしょう。お値段は高円寺価格と比べるとちょっとお高めの900円ですが、これまでの2店が安いだけで中華料理屋さんのオムライスの相場はだいたい700〜900円くらいです。
久我山 宝玉
こちらもケチャップライスがベチャベチャ系、久我山『宝来』のオムライス。ベチャベチャの具合が金華とは少し違ってねっとりしているというか、リゾットのようにご飯がまとまっているのが写真でわかるでしょうか。ラード使ってたり油が違うのかダシが違うのか、なんとも言えない不思議と懐かしい風味でうまい。外装がびっくりするほどボロボロなので初めて入るときはちょっと勇気がいるかもしれません。800円。こちらはカレーも特徴的で美味しいのでぜひチャレンジしてみて欲しいです。
阿佐ヶ谷 光陽軒
お店でラーメンに使われるであろうスープが付け合わせで出てくることはありますが、阿佐ヶ谷『光陽楼』はご飯ものを注文するとそこに麺を入れたミニラーメンが問答無用で付いてきます。ベチャベチャ系でどっしりした味わいのオムライスもボリュームたっぷりで700円。安すぎるんじゃないか?付け合わせがサラダとかでは満足できない!LOVE炭水化物!という方いかがでしょうか。
西新宿 竹葉軒
西新宿『竹葉軒』もサービス精神満点です。スープに加えて冷奴にフルーツ、食後に飴ちゃんまでくれるホスピタリティの高さ。きれいに整えられたオムライス自体にも“高さ”があり、こう見えて結構なボリュームがあります。お値段も670円とお手頃。
渋谷 仙台や
元々ボリューム満点であることが多い中華屋さんのオムライスですが、渋谷『仙台や』のオムライスはその点では群を抜いています。写真ではサイズ感が伝わりにくくて悔しいのですが高さと密度がハンパなく、最初見たときちょっとした子供用の枕かな?と思ったくらいです。850円で死ぬほどオムライスが食べられる体験ができます。卓上のもやしナムルも食べ放題。ぜひお腹を空かせて行ってください。
東松原 萬来軒
ケチャップライスがベチャベチャしてない中華料理屋オムライスの紹介です。東松原『萬来軒』のオムライスはケチャップ味薄め、しっとりパラパラしていてチャーハンに近い仕上がり。薄々に焼いた卵で丸〜く整えたやつが出てきます。かわいい!薄焼き卵のオムライスだとあらかじめ薄く焼いた卵を用意してからケチャップライスを作ってみたいな感じで卵はちょっと冷めてることが多いのですが、お店のご夫婦が卵とケチャップライスを分業して作るので卵もケチャップライスもアツアツ!細かい気配りが嬉しいですね。800円。
早稲田 メルシー
早稲田『メルシー』も丁寧な薄焼き卵。ケチャップライスも軽く焦げ目が付くくらいこんがり焼かれていて香ばしく、しっとりパラパラ。棒状に整えられているのも珍しいし、銀皿に盛られているのもレトロでかわいい!盛り盛りのインスタになんとなく食傷気味の方、たまにはこういう感じもいかがでしょうか。お値段も590円とお手頃です。
阿佐ヶ谷 喜楽
色々紹介しておいてなんですが、最もオーソドックスな中華料理屋オムライスです。あんまり上手じゃないかた焼きの卵、味付け濃い目のケチャップライス、付け合わせの中華スープも含めて超平均的な中華料理屋さんのオムライス。色々食べましたが、600円という値段も含めて完璧にオーソドックスなオムライスがこれだと思います。外国から帰ってきたときとかに食べたい。
千歳烏山 長崎屋
そしてこちらが逆に最もプリミティブなオムライスです。“技術”を一切感じさせない完全におうちの味。中華料理屋さんで永谷園松茸の味お吸い物が付いてきたことありますか?おいしい/まずいを超越してこれはもはやこういう体験としてかなり貴重です。一度はこういう経験をしてもいいのではないでしょうか。700円。ちなみにお店自体もかなり独特です。
永福町 天龍【閉店】
超実力派のオムライスのご紹介です。見てわかると思いますが美しい造形の薄焼きでありながら片面半熟の卵焼き。しっかりケチャップと中華ダシを絡ませながらも丁寧に炒められたケチャップライスは、しっとりとまとまりつつ口に入れるとホロリとほどけて口の中で卵と絡んでめちゃくちゃうまい!ほかのメニューも店主のかなり高度な技術を体験できる貴重なお店だったのですが残念ながら閉店してしまいました…。ちなみに850円。中華料理屋さんのオムライスの値段って人に言うとだいたい高いと言われてしまうのですが、中華の個人店の値段設定はそもそも他のメニューが安すぎませんか?天龍のように閉店する店が増えないか心配です…。
西荻窪 坂本屋
天龍クラスの実力派オムライスはもう食べられないの?とお嘆きの皆様ご安心ください、西荻窪の老舗『坂本屋』でもかなりハイクラスな技術で作られた町中華オムライスを味わえます。卵は両面こんがりタイプですがこれはこれで香ばしくてうまい!何よりケチャップライスが絶妙な味付けと炒め加減です。750円。坂本屋はカツ丼が有名でそちらもかなり美味しいので、カツ丼の誘惑に勝てないと注文できません。オムライスにトンカツ乗せてくれ!こちらも最近営業時間が短縮されたりしていて無くなってしまったりしないか心配です…。
西荻窪 大宮飯店
同じく西荻窪の隠れた名店、『大宮飯店』のオムライス。高円寺七面鳥と同じく表片面半熟の卵。中華だしのパンチが効いていてなおかつこんがりと炒めあげられたケチャップライスにはでかい肉がゴロゴロしていて、元々ご主人がお肉屋さんをしていたらしくてこの肉が非常にうまいです。スープというかダシも独特の癖があって個人的には1位2位を争うくらい好きな町中華系オムライス。こちらはカツカレーも名物でオススメです。唯一の難点は駅からまあまあ距離があることですが、興味ある方は散歩がてらいかがでしょうか。850円。
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