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第1章〜きっかけ〜
2018 5.8
手から携帯が滑り落ちてiPhone6の画面にヒビが入ってしまった。なんとか使えそうだけど、なんとかしたいレベルの破損。画面だけ修理で済むだろうか、それともいっそ買い替えてしまおうか。とりあえずソフトバンクで話を聞いたり、ビックカメラで話を聞いたり、iPhoneに詳しい人に話しを聞いたりして考える。どうしよう。
2018 7.13
13日の金曜日なんて不吉な日に職場の人達が私の誕生日会を開いてくれた。久しぶりに近くの美味しい中華料理屋に行き、ビールを飲んで、鶏煮込みそばを食べて、シメに裏メニューのカレーを食べて6時半に解散。私以外のメンバーは60歳を超えた高齢化の進んだ職場だからいつも解散が早くありがたい。酔っ払った私は一人ヨタヨタと地下鉄を目指した。するとその途中に見覚えのない店を発見、新しい店ができた様だ。家電屋さんらしきお店の看板には「家電機器の相談乗ります」の文字が書かれていた。そういえば携帯の画面は割れたままだ。せっかくだから相談に乗ってもらおうかな。とほろ酔いで店内に入った。カフェの併設された店内は落ち着いた印象である。すると満面の笑みの男性が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。人の良さそうなその店員に「実は携帯が…」と破損したiPhone6を見せながら話しかけたところ
「お客様、これは大変ですよ!」
「いつ壊れてもおかしくないですよ!」
「今の状態のままお使いですと指を切る可能性がありますよ!」
と私の目をまっすぐ見つめ説明をしてくれた。そんなに大変なことだったのかと酔いも覚め、買い替えか修理かで悩んでいることを相談。相談の結果「買い替え」で検討することに。
「どちらにせよ早くなんとかしたほうがいいですよ」
ということで後日予約を取って再度伺うことになった。
↑大好きな鶏煮込みそば
2018 7.16
暑くてよく晴れた海の日にもってこいの陽気だった。私は汗をかきながらMacBook Proを例の家電屋へと運んでいた。携帯の買い替えの相談の他「お手持ちのパソコンも拝見しますよ!」とのことだったので姉から譲り受けた古いMacBook Proを見てもらうことにしたのだった。予約時間の14時に家電屋に到着。今日は背の小さい優しそうなお姉さんが対応してくれた。まず古いMacBook Proをお姉さんに確認してもらうため電源を入れるとすぐにお姉さんからのチェックが入った。「このパソコン、開くの遅いと思いませんか?」確かに1分たってもまだ画面は起動中のリンゴマークのままである。「この状況でイライラしませんか」と、お姉さんはパソコンだけではなく私の精神状態まで心配してくれた。こんなもんかと思っていたので気にしていなかったのだが、バージョンアップをする度に遅くなっていると感じていたことを伝えると「それはおじいちゃんにレッドブルを飲ませて働け働けと煽っているような状態」と説明をしてくれた。わかりやすかった。
次にお姉さんの赤旗が上がったのは、セキュリティーの管理であった。私のパソコンはウイルス対策をしておらず、この状況をお姉さんは「家の鍵を開けっぱなしにしている状態」と説明してくれた。わかりやすかった。さらにこの状態で株の取引をしていると言うと「それヤバイですよ!」と突然のヤバイよヤバイよの嵐。何がヤバイのかよくわからないがヤバイよヤバイよのゲリラ豪雨にすっかり溺れてしまった私がこの時思ったのが「私って本当にパソコンのことよくわかってない」と言うことだった。とても不安になった。
また先ほどの「このパソコン遅くないですか」の問いに対し確かにと合点が行くと、私は老体のMacBook Proに対して非常に苛立ちを感じてしまったのであった。またそれと同時に老人にレッドブルを飲ませて働け働けと尻を叩いているような状況を申し訳なく感じるようになったのだ。ごめん。もう休ませてあげたい。ごめんね。私のMacBook Pro。
1年弱イラつきもせずに平穏に老体のMacBook Proと歩んできたわけなのだが、立ち上げてからなかなか消えないリンゴマーク、のんびりと切り替わる変換機能を許せなくなり、短時間で私の精神は崩壊した。そしてそんな私がとった行動は「パソコンも新しいものに買い替えます!」であった。長い間ありがとう。お疲れ様MacBook Pro 。
その方がいいと賛同するお姉さん。そんなお姉さんにパソコンの主な使い道を説明すると「買い替えはMacBook Airでいいと思いますよ」とのこと。私はすっかりお姉さんに絶大な信頼を寄せていたので、はいはいとお姉さんの指示に従った。さらにお姉さんは「さとみこんこんさんはパソコンの扱いに不安を感じているようなので月額5500円のプレミアムサポートプランに入ったらどうか」と進めてくれた。このプレミアムサポートプランはセキュリティーの管理からパソコンのレクチャーまでサポートしてくれ(5台分もサポートしてくれるらしい)さらには本体代金も込みのプランだと言うのだ。どうやらパソコンとサポート料金を4年間かけて月々5500円で支払っていくということのようだ。
つまり、たくさんレクチャーに来ただけ割安になるという計算。私は自分でいうのもなんだが頑張ろうと思ったことにはわりと真面目にやっていくタイプだし、もしやめたくなっても解約料金が本体代金よりも高い訳でもなさそうなので、自分にとってお得なプランなのではないか。そう思ったのであった。
「入りたいです!」私はお姉さんに元気よく答えた。Macの使い方もイマイチよくわかっていないし、これを機にもっとパソコンの使い方を勉強しようと心に決めた。
新しい携帯、新しいパソコン、新しい習い事。胸いっぱいやる気満々の姿勢で帰宅をした。
家に帰って早速夫に「思い切ってパソコンも新しくしちゃった♪」と伝えると「パソコンも買い替えたの?」と大変驚いた様子で迎えてくれた。そんな夫にパソコン教室にも通うことにしたの。と店のパンフレットとファイリングされた分厚い契約書をみせたところ「PCデポで買ってきたの??」とさらに目を丸くさせて驚いた。このプラン大丈夫かよと資料を読みだす夫に少々イライラしながら「大丈夫だから!」と私は強気な声をあげた。だけど…そういえば契約した会社のことを何も調べずにサインをしてしまったけれど大丈夫だろうか。私は今頃になって慌ててパソコン教室のことを検索したのだった。すると
「PCデポに解約料21万円請求された」
「パソコンの代金よりも解約金が高かった」
「女と老人をPCデポに近づけるな」
などとインターネットで検索をすると不評のオンパレード。震えるわたし。とにかく今日は契約手続きや説明で14時から20時までお店にいてクタクタだったのでとりあえず寝ることにした。また明日考えよう。
2018 7.17
これだけインターネットにはたくさんの情報が溢れているのにどうしてPCデポのいい評判は見当たらないのだろう。わたしはツイッターのお友達にもPCデポについての意見を聞いてみることにした。すると
まず驚いたのは、わたしのフォロワーは145人くらいなのになんと404人のお友達がこの質問に答えてくれたこと。(どっから来たんだ!)そして240人近くの人に「バカだ」と思われていることが判明。わたしの何を知っているのよ!!と少々熱くなったりもしましたが、協力してくれたたくさんの人の意見を参考にして、今後のことを慎重に決めていこうと思いました。またこれだけPCデポはある意味で多くの人が注目する企業なんだと感じたと同時に、なぜわたしは知らなかったのかと自分の情弱っぷりに萎えました。さらにやめたほうがいいと思うよと直接連絡をしてくれた人もおり、やっぱりサポートプランは解約したほうがいいなと決意をしたのでした。
仕事が終わったら昨日購入したMacの受け取りをする約束になっていた(色々設定をしてすぐ使えるように準備をしてくれている)。
この時に言おう。やっぱやめます。って。
焦る気持ちで仕事を終えて、19時の閉店までにギリギリ間に合わなそうだったのでタクシーで店まで向かった。今日はメガネのお姉さんがニコニコしながら迎えてくれた。「お待ちしておりました」いい笑顔である。
わたしは罪悪感に駆られながら思い切ってお姉さんに思いを伝えた。「あの…色々考えてプレミアム会員の契約はなしにしたいと思っているのですが」するといい笑顔だったお姉さんがみるみるうちに悲しそうな表情へと変わり「そうですか…」と非常に残念そうな声色でそう言った。「私どもとしては、これからもさとみこんこんさんのサポートをさせていただきたいと思っておりますが…わかりました」その言葉を聞いてわたしはホッとした。
「そうしましたら、お渡しのために設定準備、携帯電話のデータの引越し、バックアップ、LINEのアカウント設定等の合計で19440円のお支払いをお願いしてよろしいですか?」
ん?
「これらの内容はプレミアム会員になることを前提としてお手伝いさせていただきましたので…」お姉さんの表情は相変わらず悲しそうなままであった。そして「あ、あとiPhoneに保護シールを貼らせていただいたのでプラス1080円ですね」と付け加えられた。
え…
わたしだって大人である。やってもらったことに対して対価を支払うのは当然のことだと思っている。でも20000円かぁ…払えなくないけど20000円かぁ。地味に高え!!!!!
「ちょっと待ってください!」
わたしは言った。
「やっぱプレミアム会員になります」
わたしは決めた。お姉さんに解約金が本体代金以上の請求をしないかということ、何回レクチャーにきても月額5500円であることを再度再度くらいにしつこく確認し、なんなら違う従業員にも知らん顔で同じ内容のことを再度確認し晴れて月額5500円のプレミアム会員になった。
「やると決めたらPCデポのレクチャーに通いまくってモトとるぞーーー!」
こうしてわたしとPCデポのお付き合いは始まったのだ。
第2章〜歩み〜
2018 7.20
晴れてPCデポのプレミアム会員になった私。先日の受け渡しの時に「なるべく早く携帯のバックアップを取りましょうね」と眼鏡のお姉さんと約束したので一刻も早くPCデポに行きたかったのだが、今週は仕事が早く終わらずなかなか駆けつけることができなかった。ようやっと金曜日に駆けつけることができた。息を切らせて店内に入ると「間に合ってよかったです!」と契約の時にお世話になった背の小さいお姉さんが迎えてくれた。「飲み物飲みますか?」と併設しているストリーマーコーヒーから飲み物を持ってきてくれた。私はプレミアム会員だからか、好きな飲み物を1杯無料でもらえる。調子のいい時だと2杯目もサービスしてくれる。タダ飲みラッキー!閉店間際だったのでお姉さんにバックアップの取り方だけ教えてもらって今日は終了。携帯のバックアップなんて今までとっていなかったけど、みんなはこまめにとっているのかな。
2018 7.26
ハイエナズクラブっていうのは仏の心を持ち合わせた善人ばかりの集団なようで、この日は「PCデポ・プレミアム会員の契約書を確認する会」という名目で数名のメンバーが集まってくれた。私はまだ加入して日が浅いので、私と面識のない人もいるのにこの日は5人のメンバーが私のために駆けつけてくれた模様。みんな私のこと心配してくれているのだなぁ。と心を震わせながらPCデポの分厚い契約書をメンバーに託し見てもらうことに。判定の結果「あやふやな表現があり引っかかるが、多額の請求をされることはないのでは?」という結論を下された。ホッ!よかったよかったと胸をなで下ろしていると「多額の請求をされることを期待しているのに…」と残念そうなメンバー。私は勘違いしていた。奴らは善人じゃねぇハイエナだ。腐肉を求めあさり歩く輩。つまり臭っているのか、私から…!!
↑分厚い契約書からレクチャーの無料券をメンバーが発見。この券は結局1度も使うことはなかった。
その日の帰り。皆と解散した後、電車が一緒になった某メンバーにパソコンのわからない点を具体的に伝え悩みを打ち明けた。最初はふんふんと私の話を聞いていたメンバーだったが突然話の途中で「あのさ、君何歳なの?」とキャバクラの面接官のような質問を私に投げかけてきた。「え…31歳ですけど」と素直に答えると「31歳、31歳なの?」と目を丸くさせて繰り返し、そして「あのさ、31歳でそれヤバイよ。ヤバイと思わないの?」と真顔で問うて来た。
(ヤバイと思ったからPCデポに通ってんだろ……)
言ってやりたかった。でも先輩には逆らえない。私は拳を握りしめ精一杯の言葉を某メンバーに返してやった。
「はい。わからないところがたくさんあるので、明日もPCデポに行ってレクチャーを受けて来ます。」