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こんにちわ。元気ですか?スタミナ足りていますか?
みなさんは『スタミナ定食』というとどんなものを想像するでしょうか。
こちらの画像を見て頂きたいのですが、これらは全て『スタミナ定食』。あなたの想像するスタミナ定食はありましたか?
あるブログではスタミナ定食についてこのように解釈しています。
カツ丼、アジフライ、のように食材が名前に出ているわけではない。「スタミナがつく」という、およそ作り手の主観に基づいた、料理の内容としては非常に不確かな名称なわけで、「俺は長年いなり寿司でスタミナを付けてここまで生き延びて来た」というお方のスタミナ定食が「いなり寿司」になっても文句は言えず、「コロッケ食べるとスタミナがつくナリよ。」という思想の持ち主はスタミナ定食として「コロッケ定食」を出してくるだろう。そういうものだ。(ぼくののうみそ『会社近くの定食の仕込みの臭いがヤバい』より)
そう言われてみると飲食における『スタミナ』という概念のなんと不確かなことでしょうか。そして外食などで注意してメニューを見ると『スタミナ』と名のつくメニューの多いこと。『スタミナラーメン』『スタミナカレー』『スタミナ漬け』『スタミナ焼き』、あげくには『スタミナ』という名前のメニューすらありました。もうちょっと何か言えよ!
出てくるまでどんなものが出てくるかわからないから、目に付いたらとりあえず注文してみていたら気付くと食べてきたスタミナメニューは100種類以上に達し、体重は2年ほどで15キロ増加(トホホ!)。それらを後からアーカイブ的に見返せるようにしようと写真と料理の感想をハッシュタグ『#スタミナとは』を付けてツイッターに投稿していたら『こんなメニューもあったよ!』と(主に身内から)報告を頂きました。ありがとうございます!
せっかくこんなにたくさん集まったので、それらをひとまずまとめてその中から主に実際に食べたものをざっくりメニューごとに分けてどんなスタミナがあったのかご紹介させて頂きたいと思います。
●目次 *各ページに飛びます
●スタミナ定食
厳密には『スタミナ焼き定食』『スタミナセット』のようにメニュー名の一部だったり『スタミナ鉄板炒め』のようなおかずのメニュー名=定食というものも含まれているけど『メインのおかず+ごはんと汁物』をひっくるめて定食スタイルということにしてまとめてみました。以降も似たような感じで分類しています。
ざっと見渡してみるとやはり肉メインのメニューが多い印象。そしてなにげに卵を使ったメニューが少なかったです(23メニュー中5メニュー)。友達とかに『スタミナ定食って何が出てくるのを想像する?』と聞いたら結構な割合で『レバニラ炒め』を予想する人が多かったけどレバーを出すお店は1店舗しかありませんでした。どこでレバニラ炒め=スタミナ定食というイメージがついたんでしょうか。漫画かな。
一番多かった生姜焼き・肉炒めたやつスタイル。
『相州屋』はこんがり焼いたタレが香ばしい生姜焼き。おかずのボリュームがあって嬉しいですね。『大黒屋』『のぶちゃん』は屈指のボリュームの無さでありながらめちゃくちゃ味が濃くて自動的にご飯が進む逆転の発想。どちらも中華料理屋さんというのが関係しているんでしょうか。
『伝説のすた丼』は生姜焼きもあるけどニンニクを入れた方を『すたみなライス』として区別。肉もご飯も量があって王道という感じがしますね。
『成田屋』はふつうのスタミナ定食(野菜炒めに生卵を落としたやつ)もあるのですが牛バラとか鳥皮とかあまり見かけないものがあったので食べてみました。なぜかレバーを炒めたやつ付き。近所に早稲田大学の運動場があってよく食べる学生のお客さんが多いからか、おかずの量に対して無料オプションの大盛りご飯がなかなかの量です。
生姜焼定食に一瞬『スタミナ』が付いたちょっと珍しいパターン(現在は普通に豚バラ生姜焼定食)。豚バラがオイリーでうまい。
ニラとニンニクがオラオラしてくるパターン。
『吉兆』『兆楽』はかなり肉メイン。ニンニクがビシッと効いていてパンチのある一品。『春駒』(情報提供:ケアムーラさん)もニラと玉ねぎがたっぷり使われていて美味しそうですね。『東蓬飯店』は肉ニラ炒めって書いてるのにかなりモヤシが混入していますが、それよりもヤバいくらいニンニクが使用されており同店の肉野菜炒め定食とは一線を画しておりました。店主の女性もスタミナ炒めってなんですかと聞いたら「ニンニクだよ〜!」と言っていました。
肉野菜炒めでもスタミナと名の付くものに使われがちなニラを使わないパターン。
『松屋』は黒胡麻とニンニクの特製ダレの味が際立つ人参、玉ねぎ、キャベツという優しい野菜をセレクト。
老舗『洋包丁』はニンニクを感じさせない優しい味付けの肉野菜炒めに生卵をオン。『精力のつきすぎにご注意』とのことなので注意してください。
『卵を落とした野菜炒め』というのはある年代のスタミナ料理のスタンダードだったのでしょうか。洋包丁と同じくらい歴史あるお店東中野『ステーキハウスおなかいっぱい』でも同タイプのものが確認されました(情報提供:ケアムーラさん)。
そしてその『卵を落とした野菜炒め』を更に鉄板に乗せるスタイルも散見。
福島県『国見サービスエリア』のレストラン、青砥 『やまぐちさん』(情報提供:赤祖父さん)。どちらも年季を感じさせるお店の佇まいからして同世代のスタミナ料理との差別化を図ったのでしょうか。これはいらないかもしれない情報ですが、国見サービスエリアレストランの鉄板は写真からもわかるように提供された瞬間から一切湯気が立たず冷めきっていました。温めてほしい。
そんなスタミナ鉄板界の異端児が西荻窪『金竜』。煮えたぎる“とろみ”が出てきます。金龍のスタミナは“とろみ”。
煮えたぎる具沢山のとろみ。店員の女性に『これなんですか?』と聞いても『すごいでしょう笑』としか答えてくれませんでした。
ピリ辛にアツアツのとろみが絡みついた肉も野菜もおいしい!かなりご飯が進みます。
個人的な生活範囲の中の話ですいませんが、非常に珍しかったスタミナ定食としてレバーが出てくるパターンの恵比寿『舞香』。
やはり好き嫌いが分かれる素材だからか、大抵のお店ではレバニラ炒めはレバニラ炒め定食として出ていることがほとんど。そしてこちらの舞香にもレバニラ炒め定食はあるのです。スタミナ定食はレバーと野菜の炒め物(みそ味)!注文すると『レバー入ってますけど大丈夫ですか?』と確認してもらえます。よく見ると微妙な違いでいろんなレバー料理がラインナップされていますね。レバ野菜定食との違いは味付けの違いでしょうか。謎です。
これまた珍しいホルモンを使用したスタミナ焼肉定食。焼肉というとふつうのお肉かなと思って口に入れたら肉じゃなくてびっくりしたけど詳しい部位は不明(店員さんも『わからない〜』と笑っていたため)。プルプルしていて美味しかったです。
あまり積極的に食べなかったボリュームで押すタイプ。
特に『男の晩ごはん』は圧倒的なカロリーを感じました。よそじゃ生姜焼一品でスタミナ定食って言ってるとこもあるのに何してくれちゃってんだよ。メインのおかずにメインのおかずを添えるパワープレイは圧巻です。新潟県南魚沼市『こしじ』も同じくメイン+メインですが小鉢の多さや中華料理屋さんならではのおいしい料理でボリューム満点だけど飽きがこない!武蔵境『まつ浅』は主食と主食と大盛りの焼き肉。ボリュームはすごいですがお蕎麦屋さんだからか焼肉の味付けがめちゃくちゃあっさりしていて笑いました。
定食スタイルでは唯一『肉』が入っていなかったスタミナ。なんとマグロ!
マグロと玉ねぎを何やら不思議なスパイスで炒めたものに温泉卵を添えた一品。
お店が海鮮推しだからでしょうか、こういうのにぶち当たると本当にスタミナってなんなんだという気になりますね。
スタミナ納豆とポパイ鍋って何?
しかし肉の量とか味の濃さに頼らずに、本当に『スタミナがつく定食』を真剣に考えたらこれが限りなく“正解”かもしれないですね。
かなり雑に分類した各要素をバラバラにして円グラフにしてみました。なんかみそ味が割と多かったんですけどわたしの近辺がそういう感じなだけでしょうか?あと思ったより大盛りな印象が薄かったです。スタミナ丼などでは頻出する卵類(卵、生卵)もあまり見かけませんでした。このグラフでも肉と野菜が多くて、『肉野菜炒め』が定食では主流なようです。
レバーやホルモン系が多いと予想していたのですが、全体からしても1割もなかったです。当たり前っちゃ当たり前なんですがホルモンはホルモンって書きますよね。逆に『鉄板』が『生卵』に匹敵する割合であったことが驚きです。もっと生卵を添えようよ!