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続きです
2018 7.27
ヤバイ31歳は午前11時にPCデポに到着。サービスでもらったアイスカフェラテをクイッと飲んで作業に挑んだ。今日は私が管理人として運営しているサイト「FLOSS OR DIE」に溜まりまくっているコメント553件の消し方を教えてもらった。
コメントは全部スパムだったのでずっと削除をしたいと思っていたのだが何故かコメントが10件単位でしか削除することができず断念していたのだった。そんな悩みを今日はキリッとしたイケメン風のお兄さんが100件単位で削除できるよう設定を変えてくれた。長年の悩みが解決してよかった。余った時間でNumbersでグラフを作成する方法を教えてもらった。これで調査系の記事を書くときにグラフが使えてわかりやすくなるぞ。今まで苦手だと思っていたことが少しずつ克服できて嬉しい。
ところでパソコンの使い方で困っていると、よく「そんなの調べればわかるよ」と言われるのだが、使い方もままならない人間は、わからないことを調べるのに時間もかかるし体力も使うのだ。だからわからないことをスッと教えてもらえるだけで、負担はかなり減る。そこにお金をかけることは決して損なことではないように思う。
2018 8.5
「今日はどうされましたか」アイスカフェラテを置きながらイケメン店員が私に話しかけた。「gifアニメの作り方を教えて欲しい」そうイケメンに伝えるとイケメンは「gifですか…」と変な間の後に簡単にgifアニメを作成できるサイトを調べてくれた。「自分で書いたイラストをgifにしたいんです」とさらにリクエストをすると、イケメンはオススメのアプリを教えてくれてインストールした。使い方を簡単に教えてくれて、その場でgifを作ってみた。うーんすごくいい出来!
真剣にgifを作っている私のとなりの席ではマダムがインスタグラムの使い方を教えてもらっている様子だった。眉間にシワを寄せたマダムの表情は迫力があった。インスタグラムもわからないんだな。少しの優越感を感じ澄ました顔でgifの作成に勤む。数分たったあと私はふと思ったのであった。インターネットの人からみた私は、あのマダムなのか?
2018 8.11
寝ている時に買ったばかりの携帯をベットから床に投げた模様。朝起きると携帯が遠くの方に落ちていた。恐る恐る拾い上げると画面にはばっちりヒビが入っていた。(なんてこった!買ったばかりなのに…)こんな時は悲しい気持ちをツイートに込める。すると「大丈夫、PCデポのプレミアム会員に入ってるんだから」と優しいコメントがついた。あぁそうか。私はPCデポの手厚いサポートプランに入っているのだ。よかったよかった。
2018 8.19
携帯の画面をPCデポで見てもらうことにした。今日担当をしてくれたのは、初めてPCデポを訪れた時に割れた画面で指を切ることを心配してくれた男性店員であった。店員さんに携帯を見せたところ、割れていたのはガラスカバーのみということが判明。再度ガラスカバーを購入することとなった。店員さんは「僕が張り替えますね」と言って私の携帯画面を張り替えてくれた。店員さんの仕事ぷりを横目で見ながらこの時私の頭の中では(張り替えだけで1080円!張り替えだけで1080円!)がバ〜ニラバニラ高収入〜の曲調で流れていた。しかし私はプレミアム会員。1080円の張り替えは無料なのである。
すっかり元どおりになった携帯を店員さんから受け取り、そのままお馴染みのレクチャーを受けることにした。今日は携帯に撮った写真やメモをiCloudでパソコンと共有する方法と、1度教えてもらったのにすっかり忘れてしまったグラフの作成方法を再度教えてもらった。どうも忘れっぽくて困ってしまう。しかしそんな厄介な壮年期にも笑顔を絶やさず店員さんは教えてくれた。
レクチャーが終了した後も、私は引き続きPCカフェでブログ作成の作業に取り掛かった。今日はお仲間のマダムらもおらず、一人カフェでメラメラと作業に打ち込んでいた。すると画面を張り替えてくれた男性店員が私が着席しているテーブルにすぅっと雑誌を数冊おいた。
「え?あの、ここのテーブル使いますか?」
テーブルを使いたいのかと思い男性店員に尋ねると
「いや、あんまり長い時間集中していらっしゃるので、休憩がてらどうかなと思いまして…」
置かれた雑誌を見ると投資系の雑誌が3冊並んでいた。
「あ!すみません。お気遣いありがとうございます」
「こういう雑誌も買ったらまぁまぁしますし、よかったら読んでいってください!」
男性店員はテヘヘという感じでその場を去っていった。
(店員さん…)
その場から去っていく店員さんの後ろ姿を見て私は思った。
(なんで私が投資をやってることあの人知ってんだ?)
投資をやっていることはお姉さんにしか言っていないのになんで知っているのか。顧客管理ノートみたいなものがあるのだろうか。私のページにはなんと書いてあるのだろう。
「ウィルス対策をせずに株の売買をしていたことに動揺」
「WordPressのコメントが溜まりすぎて困惑」
「gif作りに精をだす」
こんなところだろうか。
せっかく置いていってくれたのに読まないのも悪い気がして、別に休憩などしなくてもよかったがテヘヘと去っていった男性店員に気を使って雑誌を開いた。私は紙面で大きく取り上げられていた今買いの銘柄をただ目で追ったのだった。
第3章〜別れ〜
2018 9.9
毎週のように通っていたPCデポ。とってもお世話になったけれど…特に困っていることがなくなって、すっかりレクチャーから足が遠のいてしまった。それなのに月額5500円は高い。私はついに動き出すのであった。
「もう解約しよう」
お世話になった。お世話になりました。さぁ解約だ!解約ってどうやってするんだ?
この日、私は用事を済ませた帰りにふらっとPCデポに立ち寄ることにした。
「わぁ!髪色変えましたか?素敵ですね!」
ふらっとやってきた私に、契約の時からお世話になっている背の小さいお姉さんが声をかけてくれた。この時は髪を秋色に染めてくださいと美容師にオーダーしたら紫色のメッシュをバシバシに入れられてビジュアル系の壮年期になっていた頃であった。嘘だろと思いながらもお姉さんがニコニコ褒めてくれるので素直に喜んだ。
「今日はどうしましたか?」とお姉さんは私にいった。
おっといけない喜んでいる場合ではなかった。私は言わなくてはいけないのだ。あの言葉を…
「あの、最近忙しくてなかなかレクチャーに来れなくて…それで、解約したいと思っているのですがどうすればいいでしょうか」
お姉さんはそうですか。と言った後にわかりました!と笑顔で答えてくれた。
「私としてはウィルス対策やセキュリティーのことをご自身でできるかということが心配なのですが、さとみこんこんさんの1番良いようにしましょう。解約時にはパソコンと最初にお渡しした契約書のファイルをお持ちください」
「あとあの紙に記載されている解約料金ですよね?」
「そうですね。解約料金もかかりますのでお願いします」
では準備してまた来ます。と言って帰ろうとした時にお姉さんが「せっかくいらしたので何か飲んで行かれます?」とコーヒーをご馳走してくれようとした。優しいなぁ。だけど今日はお腹が一杯だったのでコーヒーは遠慮して店を後にした。
2018 9.18
この日私はまた午前中からPCデポに来ていた。解約ではなくレクチャーに来たのであった。ヘッドホンから音が流れない。Bluetoothが繋がらないのである。解約しますと断言してからノコノコ来るのも恥ずかしかったのだが、しょうがない。Bluetoothが繋がらないのだからしょうがないのである。
「こんにちは!gifアニメ順調ですか?」
今日はイケメン風のお兄さんがアイスカフェラテを持って出迎えてくれた。この人は絶対「gif作りに精をだす」って私の顧客管理ノートに書いたなと確信した。
「gifはまぁまぁです。実は今日はBluetoothが繋がらなくて来ました」
ヘッドホンとパソコンを取りだしてお兄さんにみてもらった。
「ほんとだ。繋がりませんね。じゃあ1回Bluetoothをオフにしてみてください。はい、ではもう1回オンにしてみてください。はい、繋がりましたね」
繋がった!え?こんな単純なの?パソコンって結構単純なんだな…。
レクチャーは5分で終了してしまった。もう特に聞きたいこともなかったので、そのままブログ作成に精を出した。
帰り際お兄さんに「こないだ背の小さいお姉さんに解約すると言ったけど、すぐに困ったことに直面してしまい、今日またここに来ることになってしまいました。私..もうちょっと解約しないで頑張ろうと思うんです。お姉さんにも言っておいてください」と伝えた。お兄さんは「わかりました」と答え、良い笑顔で私を見送ってくれたのだった。
2018 10.12
もうちょっと頑張ると言ったのに、あれから結局PCデポに行くことはなかった。もうやめよう。私はお姉さんに言われた通り解約手続きに必要なものを持ってPCデポに向かった。
店に入ると背の小さいお姉さんを遠くの方で発見。すぐさま一番話しやすい小さいお姉さんのもとへと直進し「すみません。やっぱりプレミアム会員を解約したいと思って来ました」とはっきりとした声で伝えた。
「そうですか…わかりました」とお姉さんは言った後に
「あの、私はセキュリティー管理をさとみこんこんさんが一人でできるのか心配なのですが、大丈夫ですか?」と再び尋ねられた。
「大丈夫です。なんか詳しそうな人たちが周りにいましたのでその人たちを頼ろうと思います」
お姉さん…私大丈夫なんです。
そう。私の周りにはなんか詳しそうな人たちが大勢いたのだ。分厚い契約書を調べてくれた諸先輩方、「へー月々5500円払ってそんなこと聞くんだ?俺なら50円で教えてあげるよ」と言った31、31歳なの?の某メンバー。そしてアンケートに答えてくれた404人のインターネットのお友達…お姉さん、私にはたくさんの妙に詳しそうなお友達がいるのです。だから私、大丈夫なんです!!!!
↑私の周りには詳しそうな人たちがいたのです
…それにお姉さん、私知ってしまったんです。Macってウィルス対策いらないんですよね?
と心の中で思いながら、自信に溢れた眼差しでお姉さんの顔を見つめた。
「わかりました。では解約の手続きをしましょう。本体は引き取りという形でよろしいですか?」
「はい!」
「では書類を準備してきますので少々お待ちくださいね」
そういうとお姉さんはカウンターの奥の方に引っ込んでいった。
「………?」
あれ?本体の引き取りって何だ?え?解約料金にさらに本体代金が加算されるってこと?つまり解約料金約12万円(+本体料金13万円くらい=25万円かかるって意味?
「PCデポに解約料21万円請求された」
インターネットで見たこの見出しが頭の中を駆け巡る。え?そういうことだったの…?
手に汗を握りながら私はお姉さんが戻ってくるのを待った。
「多額の請求をされることを期待しているのに」
あの日、諸先輩方が私にいった言葉が頭の中を駆け巡る。PCデポに解約料金25万円払いましたといったらみんなは祝杯でも挙げてくれるのだろうか。よくやった!と私は褒められるのだろうか。
先ほどまで自信に溢れて輝いていた私の瞳は、一瞬で廃人の乾いた目へと変わった。
間も無くしてお姉さんは書類を持って戻ってきた。戻ってきたお姉さんに速攻で解約料金の他に本体料金が必要になるのかと聞くと
「こちらに記載の解約料金だけですよ!」
とお姉さんは笑顔で答えてくれた。
よ、よかったーーーーーーーーーーー!
なんだよびっくりさせないでよ!私の目は再び輝きを取り戻したのであった。
感想☆
こうして私とPCデポの関係は2018年10月12日に約12万円(税込)の解約金を支払って終了した。
※編集部注:この「解約金」は、もともと分割払い扱いで手に入れたMacBook自体の残金なので、不当な請求等ではありません。
バカだと言われながら通ったPCデポだったけれども、約2ヶ月間PCデポに通ったことでできることも増え、楽しく快適なパソコンライフを送っているのでよかったのでは?と感じている。
最近発見したことはiCloudで共有しなくてもAirDropを使うと楽に写真をパソコンに移動できることである。たぶんこういうことも2ヶ月前の私は気づかなかったんじゃないかと思う。成長だ。私は成長したのである。ありがとうPCデポ。
そして最後に1つだけ、皆さんに聞きたいことがある。
Macって本当にウィルス対策しなくて大丈夫なんですか?
※編集部注:きちんとMacでもウィルス対策をしましょう。
↑PCデポで得たスキルの結晶