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どうもこんにちわ。
新参者であるのにも関わらず、すでにクソ記事を書くことで定評がある、みわです。
皆さんクソ元気に過ごしていますでしょうか?
私はクソ元気、毎日元気にクソして過ごしています。ブリブリ。
どうしてこんなに冒頭からクソクソ言っているのかと言いますと、
先日、世界一〝クソ〟な家具屋さんに行ってきたのです。
そしてそこで、宇宙一〝クソ〟な人物と出会ったのです。
この出会いは、私にとって衝撃的なものでした。
今回はそこでの体験を捻り出した、渾身のクソレポートをしたいと思います。
● ● ● ●
その〝クソ〟な家具屋さんは大阪にあります。
四の五の言わず、外見を見てみましょう。
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
クソだ〜〜〜〜〜〜〜〜!
クソだ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
なんと見事なクソでしょう!!
通常お店の看板というのは、店の顔といえます。
そんな一番目を引く顔に、堂々とクソが鎮座ましています。
こちらのお店、その名も〝ウンコちゃんの家具屋さん〟と言います。
ウンコちゃん。
ウンコというお下劣なものに、ちゃんという敬称をつけることで、親しみやすく身近な名前になっています。
これ以上ど直球の〝クソ〟ネームはありますでしょうか?いや、ない。
● ● ● ●
今回幸運にも、このウンコちゃんの社長に突撃インタビューすることが出来ました。
私にはウンコが、いや運がついているようです!
▲代表取締役社長 大町氏
●よろしくお願いします。
社長
「よろしく。まあまあ珈琲でも飲みいや。」
▲通された事務所には、なんとも〝クソ〟な社訓が
●まず、どうしてこのウンコちゃんを作ったのかをお伺いしたいのですが。
社長
「僕、実はウンコ星から来たウンコ星人やねん。
乗ってた宇宙船が地球に不時着してもてんな。
その宇宙船は生駒山に置いてんねんけど。
それで、その宇宙船の修理費を稼ぐためにこの〝ウンコちゃん〟始めてん。」
▲大阪と奈良の県境の生駒山。こんなところに宇宙船が隠されているなんて。。。
●わ〜〜〜〜〜社長、いきなり凄い〝クソ〟設定ありがとうございます。
仮に社長がウンコ星人だとして、よくこの〝ウンコちゃん〟という名前をつけましたね。
ウンコ星人
「業界の間では、キズがついた新品をウンコちゃんっていうんや。
ここではそんなB品家具を扱ってるからウンコちゃんにしたってわけや。
それに、この名前、一回聞いたら忘れへんやろ。」
▲B品と言っても、ウンコちゃんで扱っているものはキズなどわからない綺麗なものばかり。
ウンコ星人
「勿論最初は反対されたで。むしろ、賛成する人なんておらんかった。
家具屋は食卓も扱うのに、そんな名前使うなんてどうかしてるって言われたわ。
でもな、狙い通り、この大阪では安いしオモロい言うて皆受け入れてくれた。」
▲キャッチフレーズ 安い 楽しい おもぴろい
なるほど。大阪という土地柄にぴったりだったのかもしれません。
親しみやすいウンコちゃん、今では軌道に乗っているようで、絶えずお客さんが来店しています。
関西のテレビやラジオなどでも多く特集され、家具屋界の中でも唯一無二の存在となっているようです。
▲というかクソオシャレなのである。しかも安い!もう普通に欲しい!
▲「UNKOCHAN931」オシャレさの中にオチャメさが混在。もはや脱帽、いや脱糞だ。
●ウンコちゃんをやっていて良かったことはありますか??
ウンコ星人
「子供とか凄い喜ぶねんで。凄い笑顔になるねん。
子供って、ウンコ大好きやろ笑
そんなん見てると、あー、やってよかった思うわぁ。」
なるほど。確かに、私もウンコネタ大好きでした。
小学生向けの少年漫画には、今も必ずウンコは出てきます。
小さい時から身近な存在で、確実にこどもを笑かす。
彼らは汚れ役のヒーローなのかもしれませんね。
▲子供の書いたウンコちゃん。みんな笑顔である。
●ウンコちゃんの今後の展望はどうお考えでしょうか?
ウンコ星人
「実は、宇宙船の修理費が貯まったから、俺はもうウンコ星に帰ることになってん。
帰星予定は来週や。このウンコちゃんにおるのもあと少しやわ。」
●えーっ?!!衝撃の展開です。
ウンコちゃんから、ウンコ星人が去ったら、何が残るっていうの?
ウンコ星人はどうなるの??
ウンコ星人
「ウンコちゃんの家具屋はそのまま残る。
ウンコ星人の意志を継ぐやつに任せる。無くなる訳やないからそこは安心せぇ。
俺は、ウンコ星に帰ったら新しいプロジェクトを始めるんや。
…廃材を使ったプロジェクトや。」
そう言ってウンコ星人が教えてくれたのは廃パレットの話でした。
パレットとは、運送業などで荷物の下に引かれているスノコのような板のことをいいます。
乱暴に扱われるそのパレットは、壊れたら廃棄というのが当たり前でした。
そんな捨てられるだけのパレットを、なんとか再利用出来ないものかと考えたのでした。
▲「木は、100年生きたら死んだ後も100年生きるんや」
工場の隅で汚く詰まれている廃パレットを磨き上げると、驚く程の姿に生まれ変わります。
別に、エコ至上主義という訳ではなく。
ただただ、この廃パレットに魅了され、廃パレットを使った家具作りに次第に没頭していったといいます。
ウンコ星人
「廃パレットの色合いは世界に一つや。
もとは雑木やったとしても、それが合わさるとこんな奇跡みたいなことになる。面白いよな」
▲廃パレットの色合いを試行錯誤し出来た、ユニオンジャックの机。もはや芸術の域。
「廃パレットの手触りは世界に一つやで。
例えば目の見えない人が家具を選ぶ時、無機質な大量生産の家具じゃなくて、
この手触りを真っ先に選んでくれるような、家具を作りたいんや」
▲クギを一切使っていない廃パレットの家具。優しくていつまでも触っていたいような感触だった。
▲廃パレットの家具は全てオーダーにて作られる。クソかっこいい!
クソかっこいいウンコ星人
「この夢のために、ウンコちゃん家具屋の事業からは退くことにしたんや。
ウンコちゃんが軌道に乗った今、正直言うと稼ぎも立場もある。
でも、自分の夢を叶えるために、片手間で中途半端にやったらアカン思ったんや。
これは、俺のポリシーや。」
かっこ良かった。めちゃクソかっこよかった。
全てを捨ててまで追い掛ける夢なんて、なかなか持てるもんじゃない。
キラキラした目で語るウンコ星人を見ていたら、自然と私の目頭は熱くなっていた。
●かっこいいっす。ウンコ星人さん、めちゃクソかっこいいっす。
その夢、見届けたいです!応援してます!
クソかっこいいウンコ星人
「おう、見届けてくれよな。」
ウンコ星人は最高にかっこいい笑顔でそう言った。
● ● ● ●
ウンコ星人「ところで、君。
君の夢はなんなんや?」
おもむろに、ウンコ星人は私に問いかけました。
●うえっ?私?!
私の夢、ですか。。(特に無いぞ。。)
私、珍スポット巡りが好きなんです。面白い所へ行って、面白い人に会って、
面白くなりたいとかですかね。。はは。。。
ウンコ星人
「そうなんや。ふーん。。。
ちょっとプロファイリングしたろうか?
君は、自分の人生が面白くないと知っている。
自分自身が面白くない人間だと知っている。」
●!!!!!!
ウンコ星人
「君は自分に対する自愛も少ない。
君は自分が面白くないということに強烈なコンプレックスを抱えてる。」
●!!!な!!なんでそれを。。。
ウンココナン星人
「楽しく面白くなりたくて、楽しい面白いことを知ろうとするし、知っていく。
けどな、それと同時に自分がいかに面白くない人間かってことを思い知るんや。
君は楽しんでいるようで、実は身を削ってる。」
●う。。う。。。。。
ウンココナン星人
「求め続けても、手に入らへん、だから求め続ける。
まるで鵜飼の鵜やな。」
図星でした。
●。。。そうなんです、私、本当に面白くなくて、楽しくない人生で。
ずっとずっと楽しいことを追い求めてるんですが、満たされなくて。
面白い人との間にはドンドン距離が出来ていってる気がして。。ひぐっ。。
私は独白を始めていました。
ウンコ星人は何も言わず、私の話を聞きます。
ずっと苦しめられていたジレンマ、積もり積もった思いを吐きだしていると、
嗚咽すらでてきました。
●記事書いても。。面白ぐなくて。。。クソ記事ばっかり。。。
ずいまぜん。。ひぐっっ。。わだじ全然面白ぐないんでず。。わだじ。。わだじ。。
ウンコ星人は、否定も肯定もしない。
ただ、頷いてくれる。優しい顔で。
そしてこんな話をしだしました。
ウンコ星人
「実はな、ウンコ星人はウンコちゃんやる前は芸人やってたんや。
だから、自分が面白くないと感じるその気持ちは良く分かるんや。
▲ウンコ星人は元芸人。飾られた写真には大物のあの人が。。
ウンコ星人
「結局芸人はやめてもたけど、でもその悩んでた時に色んな人に出会って、面白い今がある。
あの時の答えは出てないけどな、答えなんて出ない方が、人生面白いんちゃうかな。」
ウンコ星人は続けます。
ウンコ星人
「君にしか出来ないこともあるんやで。何か分かるか?」
●ひぐっ。。。私にしか出来ない事。。。なんだろう。。。
カリスマウンコ星人
「君にしか出来ないこと。
それは、今君がこうやって、面白いものを貪欲に追い求めてることや。
これは好きじゃないと出来ないことやからな。
そして、今君がこうやって、面白いことを誰かに伝えようとしてることや。
君自身は面白くない人間やとしても、君の話を聞いて、笑顔になれる人がいるなら、
それは面白いことやなあ。」
●伝えること。。。
▲わたしが書いたクソ記事でも、笑ってくれる人がいる。。(のか。。。?)
カリスマウンコ星超人
「まあ、さんざん悩んで、沢山の面白い事を知って、沢山の面白い人に出会うことやな。
俺からは以上や。
俺も、ひさびさに自分の夢話せて嬉しかったわ。ありがとうな。」
私は、取材しに行ったはずなのに、ウンコ星人に悩みを見抜かれ、悩み相談までしてもらったのでした。
感謝するのはこちらの方なのに、逆に感謝されて、私は涙が止まりませんでした。
●ぐす。。ぐす。。。ウンコ星人。。。。。
わたし、自分が何をすべきか、何をしたいのか分かった気がします。
これからも、色んな所に行って、それを誰かに伝えて。
私がする無意味なことに意味が出来たら、素敵だなって、思います。
これ、夢かもしれませんね。
ありがとうございました。。
いや。。。
クソ、ありがどうございまじた!!!!!!!!!
声にならない声で私は言いました。
● ● ● ●
全力でバカなことをしながら、全力で夢を追い掛け、
全力で誰かを助ける、ウンコ星人。
こんなクソカッコいい宇宙人はいない。
ウンコ星人は、わたしのヒーローになった。
▲ウンコ星人は夢を、わたしはクソ記事を追い続ける!
ウンコ星人が立ち上げたクソかっこいい家具屋さん
【営業時間】10:00〜21:00 水曜日定休
【住所】ブリブリ門真店:門真市岸和田1-1-20
八尾本店:八尾市美園町4-89-6
ウンコ星人のクソかっこいい新プロジェクト
ウンコちゃん各店、南港MOKUMOKUカフェで実物を見ることが出来ます。