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2018年2月11日。晴れているものの気温が低い夕方。俺は駅ビルの中にある広めの本屋を物色し、個性の無いスーパーで夕食の買い物を済ませ、エアコンの効きづらい自宅へ向かっていた。
国分寺駅の南口の坂を下りていくうちに、CAFE 6 という甘味処の看板を見て足が止まる。そういえば今年の正月は餅を食べていない。我が家はエアコンが効きづらいため、あらかじめお汁粉かぜんざいあたりで体を温めて帰るのも悪くない。
店内が空いていたため四人席に通され、スーパーの袋を下ろしマフラーを外しコートを脱ぐ。ゆったりとした心持ちでメニューを開く。
並んだ数々の甘味に目を奪われるも、『今年はまだ餅を食べていない』『家が寒いので暖まっておきたい』という自分への理由付けで入店した手前、お汁粉とぜんざいってどう違うんですかなんて野暮なことを尋ねながら初志貫徹しお汁粉を注文。お汁粉の方が水分が多いようだ。
提供されたそれは控え目に言っても、人生で一番旨いお汁粉だった。メニューには原材料のこだわりが記されていたが、過去に経験のないクオリティの逸品だった。付け合わせの昆布と、お茶と、交互に口に運ぶ。お汁粉→昆布→お茶、お汁粉→昆布→お茶、お汁粉→昆布→お茶・・・
昨今は人間関係の躓きがあった。深刻な思いで日々を過ごしている。だが甘味と塩味と温かさの永久機関ともいえるこの10数分、俺は忘我の境にあり、来し方行く末への思案からの自由を手にしていた。
「よろしければ・・・」とおかわりのお茶の急須を置かれる。たっぷり入っている。
「あと、こちらサービスで抹茶の白玉です」
品の良い小皿に、艶々の白玉が一つ。練り込んだものではない、鮮やかな抹茶だれがかかっている。うっとりするような豊潤で濃厚な味わい。お茶を静かに飲み進めた。
気付けば18時を回っていた。長居したなと思い、お会計を済ませ早々の再訪を決意し店のドアを開けたところでハッとした。
「お茶、飲みすぎた」
好きなわりに俺はカフェイン耐性が無い。完膚なきまでに眠れなくなるため、経験則から夕方以降はお茶の類を飲まないようにしている。
それが今日は店主の好意に甘え、ガブガブガブガブガブガブ飲んでしまった!眠れない夜が来てしまう!仕事に備え眠気が無くとも横にならねばと布団でじっと明かす夜。辛いんだよこれ・・・我が家には忘我になれるお汁粉も無いというのに!
という良い機会に恵まれたので、今夜は眠ることを諦め、深夜営業している銭湯に行って夜を明かします!
0時20分。終電に合わせて家を出ます。友人のニコライを連れていきます。
駅前のスーパー。2時まで営業しているため、この時間でもまだ半額にはなっていません。値引きシールが5%→10%→20%と、何度も上に貼られていくシステム。
パンもまだ40%オフ。半額まで値下げされるのをウロウロしながら待ちましょう!
0時35分発の青梅方面への最終電車に乗ります。
高尾方面への最終は1時台。まあなんというか、東京って都会ですね・・・
乗客が少ないため、気を遣わずにぬい撮りができます。
目的地の東中神まで13分。終電のため、寝過ごし降り過ごすとこの企画は倒れます。
無事下車できました。
終電後の無人になったホーム。風情があります。
真っ暗な道を、深夜営業している銭湯まで向かいます。
誰もいない・・・暗い・・・ここはどこだ・・・
目的地に着きました!
22時間営業の銭湯、冨士見湯さんです。
一晩過ごしても大人460円!
浴室内部の図解です。右下の「寿司風呂」が気になりませんか?
寿司のおもちゃが沢山浮かんでいました。以前来た時はアヒルが浮かんでいました。イベントのようですね。
湯船→サウナ→水風呂、湯船→サウナ→水風呂、湯船→サウナ→水風呂・・・
昨今は人間関係の躓きがありました。深刻な思いで日々を過ごしています。ですがホカホカとムシムシとキンキンの永久機関ともいえるこの数十分、私は忘我の境にあり、来し方行く末への思案からの自由を手にしていました。
一時間ほど入浴し、何ひとつ環境は変わってないのに「最高すぎる!人生ってチョロいな〜!」と多幸感に包まれました。湯船にドラッグでも入ってたのかな・・・
そして風呂上がりの休憩所。いらすとやさんの「やたら大きいソフトクリーム」が食べたくなりました。
注文すると、気さくな店員さんに「作ってみます?」と言われ、自分でソフトクリームを巻きました!こんなの人生初めて・・・と感動しましたが、ネットカフェではやったことありましたね。でも銭湯でソフトクリーム巻くのは初!
沢山のマンガがあります。夜は長い、何を読もうかな・・・
手書きポップがいいですね。
2時。皆さんまったりしています。マンガに飽きたらまた風呂に行きましょう。
とりあえずウシジマくんの続きを読みます。
胸を打ちますね・・・もう勘弁してくれ・・・
空腹を覚えたので売店風のスペースへ。
ほどよく脱水した体には塩分が必要です!
サッポロ一番は美味しいなあ〜〜〜!深夜に銭湯で食べるとまた格別です!
再度入浴し、朝4時からは無料という青汁をいただきました。青汁さえ美味しい!
4時45分。始発に合わせて銭湯を後にします。素晴らしい時間だった・・・まるで欠けたところのない月のように・・・
行く時は寂しい感じのした道も、完璧に満たされた今の気分だと全然違います。
誰もいないホームの見え方もまた異なり・・・
始発を待つ時間も「いや〜、良かったなぁ・・・」という心持ちです。
たっぷり入浴してリラックスして美味しいもの食べて、満足度5000兆%です!
リーズナブルなプチ非日常。おすすめですよ。
(帰宅して、深夜の銭湯が楽しかったことをサンコライとヨンコライに伝えるニコライ)