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時々気になる定食屋を紹介していこうと思う。初回はAKATENこと、餃子専門店「赤天」。
なぜアルファベット表記があるのか分からないが、バラエティ番組のときだけ、頼みもしないのに「RIKACO」になる村上里佳子に通じる何かがあるのではなかろうか。
場所は高円寺純情商店街。最近では狭小店舗としても各方面に有名な赤天。高円寺に住んでいたときは店の前を通ってもいつも閉まっているか混んでいることが多く、知ってはいたけどもいったことはなかったお店だ。
餃子専門店を標榜するお店は多いが、赤天は正真正銘、筋金入りの餃子専門店なのである。
※微音カメラを使ったのでやや画像がブレております
外観はこのような感じ。両隣との比較が分かりづらいが、外からみた時点で結構狭い。
このお店は決まった営業時間がないようだが、この日はオープンしているようなので外側から中をうかがうと、丁度客ゼロ。奇跡の瞬間である。
狭い店舗なので大概客がいると中で食べていくのは絶望的。テイクアウトがメインのお店ではあるが、こうなればやはり中で食べて行きたい。
カウンターに椅子が4つ。そのうち2席にはモノが置いてあるので、実質生きているのは2席のみ。
メニューは餃子とビール(中)のみ。他には何も無い。つまりこの張り紙がグランドメニューである。
白米やスープが一切無いのにビールだけはちゃっかりある辺り、よく分かっているお店である。
「ビールはいりません」と言うと電気ポットを渡され、「この中に水が入っています」と言われた。
メニューの下にはなぜか世界地図。こうなるとロシアが餃子に見えて仕方ない。
ロシアを食いたい。
「味噌ダレをつけて食べてみてください」という店主。
餃子専門店でまさかの変化球登場だが、この道ウン十年の経験から導き出された味なのだから間違いは無かろう。
餃子に味噌ダレは初めてだが、果たして・・・・
こちらが出てきた餃子。これが2人前、420円なのだから安いものである。
間違って味噌ダレを餃子にダイレクトにつけて食って「あ、味噌ダレおいしいですぅ〜」なんて言ったら「そうじゃないです」と指摘された。
タレの中に入れるのだそうだ。「直接つけても美味くないですよ」と。良く分からんのに美味いとか言って、とんだ恥さらしである。
餃子はどちらかと言うとモッチリ寄り。味噌ダレで失態をさらした俺が味を語っても説得力が無いだろうが、さすがのお味である。
どこで入手したのかコカ・コーラの冷蔵庫。材料やビールが入っていた。
俺の予想ではこの冷蔵庫を拾ったことがきっかけでビール(中)を始めたのではないかと思う。
我々が食べている間もひたすら皮と具で餃子を作り続けていた店主。
商店街を通る主婦が何人か買いに来ては去ってゆく。自宅で焼くお客さんには正しい餃子の焼き方を書いた説明書が付いてくるとのこと。
いつからやっているんですか、とたずねたところ、餃子だけを焼き続けて30年以上になるという。
長い歴史の中、まだまだこうして俺のように初めてやってくる客もいる。
こういうお店が残っているから高円寺はたまらんのである。