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いつもハイエナズクラブにギガを使って頂きありがとうございます。今年も自由研究コンテストの募集をさせていただきました。この時期に開催したのは大手サイトのおもしろ記事コンテストに漏れた人が応募しやすくするためですが、そのおかげなのかなんと7兆40通ものご応募をいただきました! しかも半分以上は新規の応募(を装っている)!こんな有り難い話はございません。本当にありがとうございました。
僭越ながら、今回の審査員は以下の6名です。
・zukkini(ハイエナズクラブ会長)
・赤祖父(ハイエナズクラブ編集長)
・斎藤充博 メンバー
・藤原麻里菜 メンバー
・金原みわ メンバー
・マンスーン メンバー
この審査員たちが互いにTwitterエアリプによる精神攻撃合戦を繰り広げつつ厳正に審査、その結果、以下の賞を選定させていただきました。
最優秀賞 1名
優秀賞 3名
個人賞 6名
これらの皆さまには何らかの賞品を贈らせていただきます!
(最優秀賞には特製キャップを!)
(優秀賞には盾的なものを!)
(個人賞には木工キーホルダーを!)
それでは早速各賞の発表です!!
【最優秀賞】1作品
しょ さん
神戸の直方体看板【神戸市】
【コメント】
■今回最もハイエナズクラブ的なド直球の記事でしたがなにしろネタが良かった!
一応、何でも集めているはずのメンバーが誰もこの概念に気づかず、見向きもしていなかったネタでした。記事の進め方もよくて、冒頭の説明から写真でダーっと紹介していくスピード感もいいですね。とても面白かったです。(zukkini)
■インターネットコンテンツ王道の路上観察モノにまだこんなネタがあったとは。グニャグニャに歪んでいるのが最高なんですが、最後に「震災を乗り越えたのかも」というロマンが不意に出てきてハッとします。(斎藤充博)
■その地域ならではの風景は旅の醍醐味で、むしろそこに住む人じゃないから気付く、というモノも少なくありません。東京などでも見たこと無くはないけど特筆するほど多くもない、そんな物体によく着目できたなと思いました。有名観光地を回るよりこういうのを探すのが楽しい人がインターネットでこそ活きるのかもなあと勝手に思う次第です。(赤祖父)
■数多く寄せていただいた応募作の中でも「これこそハイエナズクラブ」という内容だと思います。私も兵庫出身であり神戸はよく訪れていましたが、今まで全く気付けませんでした。これから神戸を訪れたら、気になって絶対探してしまうだろう自信があります。今後も是非、誰も見向きもしなかった新しい価値観を見出し続けてほしいです。(金原みわ)
■テーマの温度感とサンプルを集められる能力にとてもセンスを感じます。
そしてただ羅列するだけではなくその看板が持っているストーリーを想像させてくれるので読んでいてとてもワクワクしました。
きっとこの先もしょさんのアンテナは、ほとんどの人にとっては当たり前の風景に潜む大切なものを見つけてくれる気がします。(マンスーン)
【優秀賞】3作品
オノヨウヘイ さん
ぼくの親父
【コメント】
■とても好きな内容でした。強烈なエピソードを意識してあえてフラットな文章にされたのか、それが読んでいて心地よいです。写真選びも良いと思いました。身内の話って照れ隠しで妙に自虐が入ったり派手な文章にしちゃったり、身内ゆえの主観で面白さを見失いがちだと思うんですが、こうやって赤の他人にもちゃんと読ませるのがすごいと思います。あとはお父さんの写真が素敵ですよね。僕の息子がこんな記事書いたら泣いちゃう…。(zukkini)
■まずお父さんがすごいんですが、お父さんの生き方を淡々と書くオノヨウヘイさんの凄みも伝わってきます。負債総額、儲けの見積金額、年齢、庭の敷地面積、など細かい数字が出てきて、妙にきちんとしたレポートなんですよね。そのおかげで最後のパワフルなオチが効いています。(斎藤充博)
■エピソードを綺麗にまとめていてすごいです。最後のgifもよかったです。読みやすくて面白かった。すごい。(藤原麻里菜)
■記事のリズムとかよかったです。父親の話も昔の写真をきちんと使っていて飽きさせないし最後のオチのクオリティもちゃんとしていました。オチの撮影のためにカメラマンを3人用意するという徹底した姿勢にも好感が持てました。すごく丁寧な記事です。(マンスーン)
とーとる さん
寄る(よそる)名字はそそられる、寄せられ名字コレクション
※Wordでの応募のため全部ご覧頂けませんが、一部応募作を引用させていただきます。
【コメント】
■取り上げたテーマと調査内容に感心するとともに、ネット記事じみてない純粋なレポートに新鮮さを感じました。需要があるとか旬なネタだからというものを忘れて興味関心を追求することが大事だと再確認。好きなことをやる!を再確認できた良い記事ですね。(zukkini)
■人の名字と人生に思いをはせるネタ。単なる名前の紹介だけではなくて、自分の人生の中で見つけた地点を書いているのは正解だと思います。名前なので羅列するだけだと、からかっているように見えちゃうんですよね。そしてなにより、寄せられ名字の人の人生と、とーとるさんの人生が一瞬そこで交わっているかのようなロマンが浮き出てきます。(斎藤充博)
■偏ってしまいがちな「言霊」「人生」というネタを、良いバランスで面白く昇華できていると思いました。これが処女作であること、ワードで応募という素朴さなど、まさにダイヤの原石という感じですね。場数を踏んだら一体どうなるのか、今後が楽しみであります。是非自信を持って漁協の話や北海道の話などを引き続き書いていただきたいです。(金原みわ)
■インターネットに染まっていない自然な文体がとても新鮮でした。文章から、作者の感性や寄せられ名字を見つけたときのちょっとした興奮が感じられて面白かったです。面白いなと思った何気ないことを大切に記憶して熱量を持った記事としてまとめられるのは、すごいです。(藤原麻里菜)
■運命的なストーリーのお陰でこの記事が生まれたというのが良いですね。
記事のために行動してるのではなく行動が記事になっているような感じがしました。
まだまだ荒削りな所もありますが、これからも寄せら名字の人を見つけてほしいです。(マンスーン)
■Word応募という変則スタイルですが、このような作品に出会えて、逆に非ブログ形式でも応募可とした甲斐があったと感じました。調査モノのようでいてかなり主観に寄せた文章も好みでした。本人も認めるとおり未完成状態ですが、カタチにして改めて是非発表していただきたいです。個人的には下の名前ですが「球児」って人で野球やってない人がいるのかが気になります。(赤祖父)
ツマミ具依 さん
セレブ街の意外な一面を探したら意外過ぎた
【コメント】
■調査が丁寧で頭が下がります。
実はみんな一度は思いつきがちなネタの割に取りとめのないテーマで記事化は難易度が高いものと想像しますがとても面白かったです。「こうかもしれない」と思っても、実際には思い通りにならず悔しい思いをする人が多い中、仮説通りにネタを進める行動力とか嗅覚が凄いと思いました。ちょっとしたネタで満足せず貪欲に調査対象に接近する深堀りの仕方とかとにかくすごいです。とても勉強になりました。
(zukkini)
■六本木にも古い住宅街はあるし、白金なんてバブリーなシロガネーゼを想像していたら拍子抜けするほど庶民的な顔もある、そんな実地を見て回ると面白いですが、この記事もまた「誰でも知ってるよ」と「知らなかった」の間のバランスを取って丁寧に作られています(このバランスが崩れている記事は怒られることがある)。また実際の人や店に取材できている点にもコミュニケーション能力の高さを伺わせます。それによく最近のWeb記事を研究されていると思います。名前だけ先に売れて全然ネタ出しもライティングもできず枯れていくライターも少なくない昨今、こういう埋もれた原石のような方を見ると単純に嬉しくなります。(赤祖父)
■個人の記事でここまでする!?ってくらい丁寧に取材したり、現地の人に話を聞きにいったりしているのが印象的でした。すばらしい好奇心だと思います。(藤原麻里菜)
■なんなんだこの人は….気になったらズカズカと入り込んでいく…それがどこであっても…。
とにかく行動力に圧倒されました。
そのうちヤバい人に刺されないか心配なのでお腹に少年ガンガン辺りを入れておいたほうがいいかもしれません。(マンスーン)
【個人賞】各1作品
ここからは選評担当の各メンバーが個人的に推したい作品をご紹介させていただきます!
■zukkini会長 賞
辰井裕紀 さん
ダイソーら100円ショップ大手3社の卓球ラケット比較!無理やり使ったら地獄でしたレビュー
【コメント】
恥ずかしながらこれまで存じ上げておりませんでしたが、今回このサイトの存在を知ってうれしさを感じました。これぞインターネット!って感じがします。
調査内容、記事の作りこみの素晴らしさはいわずもがな、作者の方の表情とか写真の躍動感とか本当に卓球ラケットのことが好きでやってる人の調査なんだなって感じがして読んでいて楽しかったです。
■斎藤充博 賞
ナ月 さん /炭酸水 さん
鉄人28号について全然詳しくない人が鉄人1~27号まで想像だけで描く企画
【コメント】
冒頭で企画を説明されたときに「これ大喜利企画かな?絶対つまんないやつだ……」と思って我慢して読み始めたんですよ。ウェブ記事で大喜利やるのってあんまりおもしろくならないから。
でも読んでみたら27体がどれも見事にどうでも良くて、静かな感動に襲われました。大喜利のセンス勝負とは別の地平が見えてきています。会話が終始ローテンションなのも好きです。
■金原みわ 賞
乾 さん
メガネが似合うモノ!
【コメント】
始終緩い雰囲気で進んで行くと思いつつ、ちょっと不謹慎なことや危なっかしいことなど小さな冒険が登場してくる。文章構成が上手く、まるで物語でも読んでいるような気分になる実験記事でした。
■藤原麻里菜 賞
マサオ さん
背表紙だけいっぱい作れば、長期連載作家になった気分になれるんじゃないか?
【コメント】
他の記事も含めて発想がものすごく好みでした。余計なこともほどよく入っていてテンポもよく、良いなあ良いなあと思いながら最後まで読みました。
自分が面白いと思っていることを文章に落とし込むテクニックを身につければ超人になってしまいそうです。
■マンスーン 賞
新居浜 さん
グリッチ物語
【コメント】
“庭がグリッチを起こしたのである。”という一文に衝撃を受けました。
デジタルデータ上での話で語られることの多いグリッチという現象を現実世界で語り、フィクションのまま突き進むと思いきや突然「グリッチにグリッチをぶつけたら直るんじゃないの?」というよくあるネット記事の体制に流れ着き検証が始まる所も意外性がありよかったです。
クールな文体やグリッチという0と1の話なのに生活感のある和風の家というアンバランスさやダルマ落としのクオリティの低さにも味があってどこか憎めない感じも好きです。
■赤祖父 賞
オカモトラボ さん
新幹線車内販売のアイス(スジャータ)が硬すぎるので溶けるまでの5分毎を記録した。
応募作がデイリーポータルZの新人賞に先に入って二重受賞になっちゃうところでしたので、同ブログの別作品を勝手に選ばせていただきました。誰でもできるけど誰もやらない着眼点の作品が好きです。他の作品等もクオリティが高く感服いたします。
【選外・惜しかった作品】
残念ながら賞ではございませんが、是非ご紹介したい作品です!
Jーん さん
【コメント】
すごく面白い方というのがビシバシ伝わってきました。テンポとかはずし方とか、とっぴなことをしてもシュールすぎない程度にとどめる調整の仕方とか勉強になります。この方の書いた旅行記はめちゃくちゃ面白そうなので読んでみたい!(zukkini)
みつまり さん
【コメント】
ストーカーの友達視点の文章って今まで読んだことないです。その関係性が宝石のように貴重だと思います。(斎藤充博)
チコピドー さん
(動画での応募です)
【コメント】
ご自身の音楽作品で応募いただきましたが、僕としては「【料理】手つくり 子持ちガレイを食べる チコピドー」という動画がとても面白くて皆さんにも是非観ていただきたいと思いました。(zukkini)
しょうきち さん
【コメント】
文章がかなり上手で、ずっと文字ばかりなのに全話読んでしまいました。たぶんフィクション含んだ私小説なんだと思いますが、それでもおもしろい。ブラック企業に洗脳されている途中の文章も載っていて、転向文学みたいだなと思います。おおきちと名前が似ているのでラジオやってほしい。(斎藤充博)
たて さん
紅茶を楽に飲むためにティーバッグを自動で引き上げる装置を作った
【コメント】
途中に3D CADが出てきたのが良かったです。
それを引き立てる初期のポンチ絵の適当さとか、そもそものテーマのショボ(失礼)さとか、緩急使い分けが上手いと思います。最後の締め方もいいです。(zukkini)
ニシキドアヤト さん
教養番組的な何かを、ジャンプ力に定評のある前田さんと作りたかった話(本編)
【コメント】
記事の作り方が丁寧で何でも対応できそうな器用さを感じました。特に写真の撮り方と使い方が上手ですね。やっぱりイケメンの顔出しというのは絵になるものでそれを含めて僕にはないものがたくさん詰まった記事でした!(zukkini)
hime さん
【コメント】
よくアニメの終わり方が「自分の思ってたんと違う!」と怒り狂ってる人を見かけます。怒る前に自給自足、というのは同人活動のある種の原点かもしれません。(赤祖父)
松本ジュンイチロー さん
ボクの彼女を紹介します 〜マッドサイエンティスト・ライトを作ろう〜
【コメント】
こちらもデイリーポータルZのご常連でもありますが、逆にハイエナでいいの?っていう畏れ多き感が漂う完成度の作品ばかりです。もし「笑いを狙う」観点で見るのであれば、色々とショボくするアイディアを妄想したくなります!(赤祖父)
まとめ
応募総数7兆40件の多さもさることながら、クオリティの高い記事が沢山集まり選考メンバー一同とても楽しく読ませて頂きました。
特に受賞された方々、我々が評価するのも恐れ多いほどクオリティが高くそんな記事を送っていただいた事に感謝するばかりです。
また、ここに載せられなかった作品の中にも素晴らしい記事は沢山あって同じようにweb上で記事を書く者として色々と勉強になりました。
最近では面白記事メソッドやウケる法則の様なものも溢れていますがそれに惑わされず好きなテーマで好きな様に書くことの良さを再確認しました。そんな皆様をこれからも応援すると共に、我々も皆様に負けぬ様これからも記事をひねり出していきたいと思います。
改めて、この度は多数の応募ありがとうございました。
これからもハイエナズクラブをよろしくお願いします。
ハイエナズクラブ会長