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皆さんこんにちは。暑い日が続きますが、良いモン食ってますか。僕は食ってます。
今日は皆さまに夏の暑さで減退した食欲を取り戻していただくべく、フロム九州の、とっておきのS級グルメのご案内したいと思います。
コカ・コーラ、ケンタッキー、ロイヤルホスト。考えてみると、九州にはおいしいものしかありません。どうか正座しながらお楽しみください。
【「ラーどん」に会いに】
場所は九州北部、福岡県と佐賀県の県境にある糸島郡二丈町に「棚膳」はあります。
海沿いを走るかなり景色の良い国道に・・・・
「ラーどん」こと、棚膳。
このあたりを通過するドライバーにとって「棚膳」という店名より遥かに有名な名物料理「ラーどん」の看板がお出迎え。棚膳を知らなくても「ラーどん」は知っているという人、このあたりにはかなり多いと聞きます。
もっとも、実際に店名より大きく「ラーどん」と書いた看板が2つもあれば、それは無理も無い話。
棚膳はラーどんだけの店ではなく、店の本体には「焼肉・讃岐うどん・そば」がひっそりと別看板で自己PRをしておりました。(焼肉まけるな!)
【「ラーどん」とは何か】
もはや店名より有名になってしまった「ラーどん」とは、いったい何か。
それには上の写真をもう一度じっくり、主にフォントに気をつかってみてもらえば何となく分かるかもしれません。ラーメンを臭わせるグルグルデザインに、どこかからコピペしてきたようなうどん屋風の「どん」。名が体を表すように、フォントは体を表し、「ラーどん」とはそのままラーメンとうどんが合体した珍品のことなのです。
ここは佐賀県と福岡県の県境。何か我々のジョウシキでは説明できない時空のゆがみのようなものが、ラーどん誕生のウラにはありそうです。
「たべあるき九州・沖縄 100選」にも選ばれている棚膳。この100選に選ばれているお店を何軒か知っているのですが、どれも口コミで広がった小さなお店が多く、僕は結構信頼しております。(現在登録は1000店ほどあります)
座敷・テーブル席が結構あり、さすが焼肉も出すとあってテーブルにはコンロ付。日曜の昼間、しかもこんな僻地だってのに奥の座敷からは出来上がったメンズの楽しそうなヴォイスが聞こえてきたりして、ここはドライブインでもあり、この辺りの住民の憩いの場でもあるのでしょう。素敵ですね。
こちらはカウンター席。近所の住民と思しき方が慣れたスタイルで「ちゃんぽん」をたのんでいました。
「ラーどんの店!」とまえがかりになっているトーシローの僕を尻目にこう、店の名物でもなんでもないモンを軽くたのんでしまう常連の、その格好良さというのを僕は「どこでもカレー現象(※)」と呼んでおります。
(※フラっとやって来る常連が名物メニューや店の専門料理を無視して別にここで食わなくてもいいはずの「カレー」を頼む現象。または、そういうお店でもなぜかカレーがメニューにあるという珍現象の総称。)
置いてある漫画でその店のセンスをうかがい知ることが出来るのだとすれば、今までの僕の経験だけで言えば、「人間交差点」が置いてある店は結構分かってると思います。棚膳には池上遼一が充実しておりました。まあ、分かってると思います。
随分引っ張りましたがここからいよいよラーどん登場!メニューに見えるそのいたいけなお姿。(「スープが違う!」という差別化宣言は結構なのですが、他社さんとはもっと違うものが色々あるのに、そこはスルーなのでしょうか・・・・)
「鶏がらと骨の髄をベースに様々な野菜を贅沢に使いじっくり煮込んで」
「麺は、ラーどん専用の高級うどん『しくらめん』」
ただラーメンのスープにうどんの麺を入れただけかと思いきや、結構手の込んだ作り。『しくらめん』を調べてみると山口県光市のヒカリ乳業㈱で作っている麺のようです。それがラーどん専用。なんて贅沢な商品なのでしょうか。
【「ラーどん」登場】
紛らわしくてすいませんが、こちらは「ラーメン」です。
この地域では一般的な細めの麺にチャーシュー、キクラゲがトッピング。490円。この辺りでは平均的なお値段。
そしてお待ちかね、こちらが「ラーどん」。ワカメにかまぼこ、錦糸卵。上のラーメンと比べると、具はうどん寄りのものが載せられています。
真綿色した シクラメンほど
清しいものはない by 小椋佳
ダメなカレーうどんみたいに、うどんとスープが全く仲たがいしているのを危惧しておったのですが、しくらめんってのがコレそこまで太く無くて、また結構柔らかめなのでスープを程よく吸収していて凄く食べやすかったです。出逢いの時の君のようです。
ラーメンとうどんを合体させたというより、それぞれとは全く別の食べ物と言ってよいと思います。スープはニンニクなのかコショウなのか、結構味が濃くて、チャーハンに出てくるスープに似ておりました。
※ちなみにラーメンのスープもこのスープと同じものでした。
最後になりますが、これ、ヤラセでも言いがかりでも何でも無いんですけど、どういうルートでこうなってしまうのか全く分かりませんが、なんとラーメンのほうにうどんが1本入っておりました。ラーどん誕生秘話については結局聞くことが出来なかったのですが、ひょっとするとこういう偶然がきっかけだったのかもしれません。
全くの余談ですが、先日、蕎麦の中に太くて硬い謎の麺が混入していたこともありました。ひょっとするとここから、また何か新しい食べ物が誕生するかもしれません。その日まで、期待して待ちましょう。
終わり