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高円寺に「団らん」という定食屋(居酒屋)があった。
当サイトの構成員の多くが記事にしており、思い入れも深い名店だ。
(参考記事高円寺団らん/高円寺の迷店・団らんを偲ぶ/高円寺グルメ情報3)
ここには有名なキャッチコピーがある。
「一歩先をゆくあなたに、一歩先をゆくお食事を」
サブタイトルの「女性の方 お気軽にドウゾ」の全然無理です感も含め、今ではこのコピーが数々の名店を世に放ってきたエクストリーム定食シティ・高円寺全体を端的に表す言葉に見えてならない。
そして今年の8月末。
結局、世間は進みすぎたプログレッシブ・定食についていくことが出来ず、団らんは解散。マスターは40年近くの定食屋活動に終止符を打った。
(団らんを始める前に上野かどこかで「藤吉郎」という定食屋をやっていたと聞いた。さらにその前は他の店の一店員だったとか・・)
ともかく、高円寺では大ニュースになった団らん閉店ニュース。最後の日に行けなかったことが残念でならず、今回こうして記事にさせていただく次第である。
「団らん」
「・・・パプル」
「よし、はいれ」
もし俺がアジトを作ったら、合言葉はこうするだろう。
このように、団らんといえばパプル定食抜きにして語る事はできない。(つまり合言葉としては失格であるが)
パプル定食とは団らん名物の、「いためた豚バラ肉をポン酢とからしで食べる」だけの料理である。
「パープリン」という言葉にこの料理が発明された頃の「バブル」が合わさった出来たもの、というのがマスターの最後の説明であり、真偽のほどは不明だが団らん閉店の今、もはやそれを信じるしかない。
(引用元)
先の写真のように、レタスだけのときもあれば、卵とハムがついてくることもあり、
(引用元)
キャベツ以外何もないときもある。
元々450円だったものが500円に値上げされたり、一時期「パプル丼」になったり、色んなことがあった食べ物であるが、まちがいないのは豚バラ肉を炒めただけでそんなにおいしくない、ということである。
(ちなみにパプル丼を頼んだら普通パプル定食が出てきましたが・・・)
実は大学生の頃、俺は団らんのすぐ裏に住んでいた。
家から歩いて30秒、移動するその刹那において、隣にある味楽と団らん、ちょっと離れたタブチを天秤にかけ瞬時にどこへいくかチョイスするあのワクワク感・・・・
中でも団らんへの依存度は高く、大学4年間を通じてすっかり常連として通いつめた俺には、だから、団らん閉店のニュースはなかなか受け入れられないものなのだ。
前置きが長くなったが、今回は団らんから「一歩進んだあなた」と認められし者の使命として、団らんが世に放った名作「パプル定食」を後世に伝えるべくその製法をここに公開することとする。
ある日、団らんのマスターを尾行してたどり着いたのが、高円寺と阿佐ヶ谷の間にあるビッグエー。
ここが団らんが食材を調達している場所なのだ。
その日マスターが手に取ったのがこの肉。
「アメリカ産 豚バラ肉うすぎり 280g」
あくまで推測でしかないが、恐らく、これがパプルの原材料である。
今回はこの肉を用いて、製法に忠実にパプルを作ることとしたい。
先ほど書いたとおり、レタスだったりキャベツだったり、ハムがあったりなかったり・・・・、パプルスタイルは実に多様だ。
「炒めた肉を醤油とからしで食べる」というルールさえ守っていれば、それはパプルになる。難しいことはなにもないのだ。
今回はファンの間で「王道」とされる、目玉焼き&ハムのスタイルで攻めてみたい。
細かい話をすればこのとき乗せられるハムはマスターからのサービスの扱い。「ハムにするか生卵にするか」という質問の結果である。
ここで生卵といえば卵かけご飯としてライスを楽しむ事もできるのだが、10割の客は鮮度に不安を覚えて「ハム」と即答するという調査結果がある。
ハム&目玉焼きの用意が出来たら、次はメインのパプルの準備に取り掛かりたい。
サブリミナル効果かってくらいにさっきから喧伝しているのでもはや皆さんお分かりかと思うが、作り方は「肉を炒めるだけ」である。
コツやポイントのたぐいは一切無い。
パプル一番手がかかるのはキャベツのせん切りと言われるほど、何も考えることがない。
その実、考え事をしている間にパプルは完成した。
この通り、これがパプルである。
作る前には「本当に俺にパプルが作れるのだろうか」という不安があったが、着手して5分、実際にパプルが目の前に現れた。
ここにポン酢とからしで作ったパプルソースを添えれば、パプルは完成。
おおまかに原価を計算してみたが、恐らく150円〜200円ぐらいだろうか。
試食してみると、Oh…..紛れもないパプルの、あの懐かしい味。
もう二度と楽しめないと諦めていたあの味は、なんと自宅でも楽しめるのだ。
(ハムにパプルソースをつけて食べるとパプルの味がしたので、パプルとはソースのことと見つけたりの気分である)
*****
団らんがあの場所からなくなってしまった以上、あの味、あの雰囲気、あの思い出は二度と戻ってくることは無いだろう。
とかいって同じ味は先日思いっきり戻ってきましたが、ともかく!ブログの中取上げた団らんの記事が元で知り合いになった人も多く、ハイエナズクラブを始めるキッカケを与えてくれたといっても過言ではない。
かつて団らんのマスターが遠くを見ながら放った言葉が忘れられない。
「どこかのバカが、インターネットで俺の店のことなんか色々書いてるらしいんだよ、ほんと、バカだよなーーーー!!」
目の前で言われたが、それはこの俺。一緒になって「ヒドイやつがいるもんですね(棒読み)」と相槌を打っていたらレモンサワーをくれた。
これからも何かあったら団らんのことを書いていこうと思う。
長い間お疲れ様でした。