【無名人インタビュー】実録！年収100万・東京ひとり暮らし

みなさんこんにちは。

 

突然ですが、
みなさんの年収はおいくらでしょうか。
300万？500万？1000万？
気にしていますよね、気になりますよね。
もちろんお金が全てではありませんが、
生きていく上での重要事項ですよね。

 

 

節約派に、遊蕩派。
様々なスタイルがあり、生活に必要な費用も人それぞれですが、
多くの人はある程度の金額を望み、
豊かで、ゆとりある生活をしたいと思っていることでしょう。

 

 

さて、私の学生時代の後輩に、
年収100万円弱で、もう5年ほど東京で一人暮らしをしている男がいます。

 

とびぬけて奇人・変人というわけではありませんが、
独特の価値観を持つ彼へのインタビューを掲載いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

・Ｍ本君
・27歳
・東京都豊島区で一人暮らし
・フリーター
・年収100万弱
 
 

1月某日。
仕事が定時上がりのフラワー・フライデー（花金）。
たまには人と外食したいなと思い、確実に暇であろう彼を高田馬場に呼び出した。
ハンバーグ屋へ入る。

 

—今日は突然なのにありがとうね。朝ご飯何食べた？
 
「いきなり何ですか（笑）
今日の朝ご飯は・・・バナナと白湯です」

 

白湯？白湯って、お湯の、あれ？

 

「はい。基本的に飲み物は水か白湯ですね。節約してますし」

 

うわ・・・うん・・・そうか・・・
スーパーの掃除のバイトだけで暮らしてるんだっけ。
・・・君のこと記事にしていい？

 

「え、あんまり面白くないと思いますけど・・・まあいいですよ」

 

ありがとう、じゃあ、とりあえず生活費を聞かせてよ。

 

 

 

【一か月の生活費】

収入・・・約80000円

 

支出・・・
家賃　30000円（風呂無し・水道代込み）
電気代　2000円
ガス代　1000円
銭湯代　9000円
食費　10000円
日用品　1000円
携帯代　2300円
ネット代　6000円
国民年金　15000円
ＮＨＫ料金　1200円
娯楽代　0円
以上、支出合計　77500円
所得税・住民税・国民健康保険については「よく分からない」とのこと。
額面年収100万以下なので、おそらく非課税か、かなり安い。

 

 

なんというか・・・
ストイックだね・・・
娯楽代0円か・・・

 

 

「まあ、趣味も無いですし。ネット代がケーブルテレビも含まれてるんですけど、それが全ての娯楽ですね」

 

スーパーの掃除ってどのくらい働いてるの？

 

「週6で、朝7時〜11時です。誰とも喋らずに、ただ掃除してます」

 

掃除を選んだ理由が知りたいんだけど・・・

 

「いくつか面接受けたんですけど、そこしか受からなくて」

 

Ｏｈ・・・辛いことを思い出させて、済まない。

それで、11時に仕事終わって、そこから1日何してるの？

 

「何してるかなぁー・・・まあテレビ見るくらいしかしてないですね・・・」

 

ネットは？ツイッターとか、フェースブックとかはやってないよね。

 

「何か調べものする時くらいしかしませんね。ＳＮＳはやろうとは思わないです。
人とつるんだら負けかと思って」

 

何それ！誰と闘ってるの！？

 

「いやー、なんだか、いかにも自分が淋しいと認めているようでイヤですね。
実は僕、声優のＸＸＸＸが好きだったんですけど、最近結婚して、それ以来ＸＸＸＸのラジオとか聴けなくなったんですよ。ＸＸＸＸって、ブログとかで結構ぼっちアピールしてて、無趣味で冷めてる感じがして、そういうところがいいなと思ってたんですけど、それが結婚かよ・・・！って。なんだよ・・・！って。それ以来ダメですね」

 

（このあたりの会話の流れをあまり覚えていない。彼は「声優の結婚がショック」ということと「自分がＳＮＳをしない」ということの理屈の繋がりを、極めて論理的に説明してくれたが、私は「真面目でストイックな彼が声優の結婚でショックを受けた」という事実にショックを受けて、あまり話を聞いてなかった）

っていうか声優好きとか初めて知ったんだけど・・・

 

「まあ本当にテレビ見るくらいしかしてないので、自然、アニメにも手が伸びますよね」

 

 

 

そこで料理が運ばれてきた。

 

「おお・・・すげー・・・！」

 

何でも注文していいよと言ったところ、彼が選んだのはハンバーググラタン。

 

１２００円。４日分の食費相当だ。

 

「ずっと油っけのないおかずばっかりだったから・・・なんかもう、すごいっすね」

 

同じようなセリフを地下施設で強制労働しているカイジが言っていたような・・・

 

 

 

聞き手の私はガーリックハンバーグ（１０００円）。

 

 

ここ、「俺のハンバーグ山本」というお店、

美味しさもさることながら、季節の生ジュースのサービスに、

ごはん・味噌汁おかわり自由、高田馬場店はカレーもおかわり自由。

内装もカジュアルでおすすめ。

 

 

 

 

「あ、そういえば唯一の趣味で野球観戦があります。後輩に誘われて試合をたま〜に見に行ったりします。今はオフシーズンなので誘われませんが」

 

スポーツの話題は前から時々してたね。自分ではやらないの？

 

「運動音痴だし、わざわざ自分でやりたいとは思いませんね・・・」

 

そうか。じゃあ趣味に限らず、やりたいこととか無いの？

だいたい君みたいな生活してる人って、仕事を最小限にして、節約して暮らして、時間を捻出して、夢や目標を目指す人が多いイメージなんだけど。

漫画家とかのクリエイティブ系や、難関資格試験とか・・・

 

「無いですね・・・やりたいことが無いから、お金も時間も必要無い。必要無いお金のために、何で働かなきゃいけないの？って感じですね」

 

 

なるほど、そういう考え方もあるのか・・・

将来への不安は無い？そろそろまわりの同年代も結婚して子供産んだりする頃だと思うんだけど、そういう話が伝わってきたりすると、「俺、このまま掃除のバイトをして歳を取っていってもいいのかなぁ」とか思わない？

いや掃除をバカにしているわけではないよ。俺も大学時代３年間掃除のバイトしてたし・・・あれ人と喋らなくていいから最高だよね！

 

 

「そういえば先輩もやってましたね、掃除バイト。あと、布の検品のバイトを一緒にやりましたよね」

 

 

懐かしい、そんなのもやったね。ひたすら布を検品したね。黙々と作業したね。

 

 

「ああいうのは性格的に合ってますよね。

あ、将来の不安ですけど・・・不安は特に無いですねー。

そもそも将来に対する希望が無かったんですよ。

実は僕、幼い頃、体が弱くて、色んな病院に連れていかれて検査とか沢山受けてたんですよ。結局、特別な異常は見つからなかったんですけど。そうやって病院通いとかしてたから、将来結婚したり子供をもつ自分の青写真を描いたことも無くて。

だから今になっても、まわりで身を固めていく同年代を見ても何とも思いませんね。実家の両親も放任主義で何も言ってこないし」

 

 

そうか、希望が無ければ不安も無いのか。

分かるようで分からないけど、よく考えたら分かるんだろうな。

じゃあ今の掃除で正社員になるとかいう考えも勿論なくて、

このまま現状維持していきたいって感じ？

 

 

「そうですね、正社員だと拘束時間が長いじゃないですか。

不必要な金のために不必要に働くのは嫌ですね・・・

まあもう少し時給が上がったら嬉しいですけど、

シフトに入る時間自体を増やそうとは思わないです」

 

 

なるほど・・・で、食べないの？

 

「いやー、すごく美味しいんですけど、ずっと安い物ばっかり食べてたんで、なんか変な感じですね。外食自体、４カ月ぶりくらいだし」

 

 

ひと月の食費が１万円以下となると、インスタント食品も買えずに、大根・もやし・鳥胸肉のローテーション？

 

 

「そうですね、基本は賞味期限間近で安くなったやつですね。100ｇ88円の豚コマ肉に3割引きのシールが貼られたら沢山買って冷凍、みたいな。あとは変色したり萎びた野菜が安いので、それを。病院に行く金は無いので、栄養バランスには気を付けています」

 

 

俺、昨日、一杯700円のチャイ飲んだよ。

 

 

「ゴホッゴホッ！（盛大に味噌汁がむせた）　・・・貴族ですね（笑）」

 

 

あと、この携帯代2300円ってのはガラケー？

 

 

「はい。一番安いプランです。バイトの連絡でたまに使うので、一応持ってます」

基本的に持ち歩かないため、
5年以上持っているのに傷ひとつないという。
待受画面もストイック。着信音も初期設定のまま。

 

 

 

 

 

 

中学1年生の時から15年間使っているという財布も見せてもらった。
セロテープで補強している。

 

 

 

 

 

どうせ補強するなら手前だけじゃなく、
後ろにもセロテープ貼ればいいのに・・・

 

 

 

 

 

 

思わず「うわぁ」と言ってしまった。
「いつから使っているか覚えていない」という手袋。

 

 

 

 

 

 

結局、１時間半かけてハンバーググラタンを完食し、
お客さんも増えてきたので、店を後にした。

 

 

ろくな信念もなく流されて生きてきた一般人の私は、

彼の、独自の価値観で、世間に流されること無く、

（声優の結婚でショックを受けているけれど・・・）

ストイックに生きる姿をかっこいいと思った。

（真似したくはないけれど・・・）

 

 

久々に会ったのでもっと話したい気持ちもあったが、

色々と考えてしまい、解散するべく駅へと向かった。

 

 

「もっと安い家があったら引っ越したいんですけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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以上です。

ハイエナ・インタビューとしては彼におごらせるべきだったと反省しております。

次回こそは！