イザって時にAED使う自信が無かったから習ってきた

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赤祖父(赤ソファ)
青ソファ、黄ソファ、赤ソファの三色からなる「徳ソファ」から分離したうちの一人。三人がふたたび一人に戻るとき、大勝利が待っているという。

今回は別に冗談とか茶化しとかではない普通のレポートです。

AEDがそこら中にあるのに使い方を知らないのが怖い

訓練用AED

AED。駅やお店、公共施設などに設置してあるのをなんとなしに横目に見た記憶は誰しもあると思う。

しかし……

使ったこと、ある?
ちゃんと使える?
そもそもどんなときに使う?
大丈夫?自信ある?

……ない!!!!!!

圧倒的に不安しかない。そもそも習ってもいないことをいきなり上手くやれる自信なんてあるか? エヴァに乗ったシンジ君だってガンダムに乗ったアムロだって初めてでブチかましたけど、あれはアニメなので……。凡人は最初に習っておきたいじゃないですか。
というわけでAEDの講習を調べてみたら、おお、定期的に実施されているよ。

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm

その上色々なコースがあって、上級救命講習というのになると、

普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習の内容に加えて、小児・乳児の心肺蘇生、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法など学ぶコース

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm

とある。せっかくなのでこれにしようと決め、予約を入れた。なお自分が申し込んだときで2ヶ月先まで予約がいっぱいだったので、案外人気(もしくは会社などで義務づけている?)なのだなと思った。

やっぱり、そもそもAEDって街中で結構見かけるものの、使ったこともないのにイザ必要なシーンが来たら使えるのか? という不安がある。これは払拭したい。

そしてもうひとつ、この上級コースにしたのには理由がある。それは「小児・乳児の心肺蘇生」を習えることに尽きる。というのも、娘が1歳になる前に熱性けいれんを起こして救急車を呼んだことがあるのだが、そのときの恐怖が今も頭から離れないというのがある。
幸い大事には至らなかったが、もし自分が知ってること知らないこと少しの知識差で子どものいのちを左右することがあったとしたら……と考えた。

とはいえ、さすがに今から自分が医療の専門家になるのは無理だ。しかし素人でも知っていたり習得できたりする簡単な応急手当て、正しい初動についてくらいは知るべきだと強く思ったのだ。

実際、娘がつめた〜い顔してけいれんを起こしたとき自分は呼びかけたり軽くペチペチ顔を叩いたりしたが、両方とも良くない対応だと後から知った。そういう後悔をなくしたい。「わかんないことはググればいいんだよ〜」とか言ってる現代人よ、イザってときはググるヒマすらないんだぞ。

講習の雰囲気と概要

というわけで、2ヶ月待ち……ちょっとした人気の寿司屋かというくらいの予約待ちを経て、いよいよ講習を受ける日を迎えた。


配られた品々はこんな感じ。
テキストの他には三角巾(こんなの普段持ってない!)、蘇生用マウスピース。



講習はビデオを見て教本を見て、それから人形を使った実践に移る。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸が練習できる人形。どこかで一度くらいは触ったことがあるかもしれない。自分も中学校か高校のときにやった記憶はある。ただあの頃の時代と違うのは、最優先は胸骨圧迫(心臓マッサージ)で、人工呼吸はやるに越したことはないが、無理そうならやらなくてもいい、という整理になっていた。やはり知識のアップデートは常々必要だなあ。



小児モデル。大きさとしては小学生の高学年くらいだろうか。このくらいであれば普通の大人なら全力で胸骨圧迫して良いそうだ。自分の子どもたちを思い浮かべながら練習すると俄然本気になれる。



これは幼児モデル。2歳くらいの感覚だろうか。これくらいだと胸骨圧迫は片手でやるのが基本になる。これもちょうど今のうちの娘くらいなので、ひときわ本気度が高まった。



大人、小児、幼児で当然ながら胸骨圧迫のコツは異なる。それでも基本的には「弱いより強めであるほうがまだマシ」「ムキムキマンでもなければ基本、全力でいけ」ということらしいので、チカラor体重自慢の方以外は遠慮せずガシガシいきましょうとのこと。


小児の場合は貼り方を変えたりするらしい。でもこういう細かいこと覚えるくらいなら後述のとおりとにかく胸骨圧迫を最優先と覚えるほうがいいかも……。

肝心のAED使用シーンはですね、真面目に実習してたので写真はありません
動画とかYouTubeで検索すればでてくるから見てください。
基本的には、最低限以下だけ覚えておけば大丈夫な感じ。

・使い方はAED本体に書いてあるし、なんなら喋る機種もある

・その人に使う必要があるかどうかもAED自身が診断してくれる(効果が無かったり不要なケースも多い)

AEDよりとにかくまずは心肺蘇生=胸骨圧迫をする(いわゆる心臓マッサージ)

自分としても意外だったのは、
・心肺蘇生=胸骨圧迫がマジの最優先事項であるということ
・人工呼吸もサブで構わないので、とにかく心停止してる人には胸骨圧迫(心臓マッサージ)しつづけること
・AEDは副次的な使用(あくまで不整脈を正常化させるもの)、かつ万能ではないこと
・まして、いわゆる心臓マッサージの代わりにはならないということ
だ。これだけAED普及してるのに案外ニッチじゃね……?と肩すかしをくらった感が正直あるが、まあそれでも無いよりはあったほうが絶対良いだろう。


ちなみにこれは蘇生用マウスピース。人工呼吸をするときに用いる。ダイレクトな接吻だと感染症等のリスクもあるし、当然抵抗感もあるので……というときに便利!
(……いや、こんなもの持ち歩くわけないじゃんかよ…)



それから、三角巾の使い方も習った。骨折した腕を吊ったり捻挫を固定したり。確かにめちゃめちゃ応用が利く。ただし三角巾なんて普段持たないよなぁ……でっかいバンダナとかくらい持ち歩こうかしら。



隣に座った男性と縛り合うみたいな流れになり、頭に三角巾を巻いてもらった。

るろうに剣心の敵みたいになった。




これは毛布で簡易的な担架を作る方法の実習。見ての通り単純に毛布の両端をクルクルと巻いてあげるだけ。よく思いつきがちな簡易担架としては物干し竿のような長い棒に布などを渡して……というやつだが、そんな棒なかなか無いよ、ということでこっちのほうが実用的だそう。まあそうだよね。



というわけで最終的な確認テストを経て、約8時間の講習を修了。
上級救命技能の認定証を受け取った。自分の場合はこれが会社に求められたりしてるわけではないので特に何でもないものだが、ちょっと嬉しい。

おわりに

何でもそうだが、準備とリハーサルは大事だ。本番は準備とリハーサルの有無で結果にかなりの影響を与える。だからAEDの使い方を一度でもやっておく、たったそれだけでもしものときの結果が良い方に影響するならば、決して無駄ではないと思う。(説教くさくて、しかもおもしろい話も無くてすみません)


以下のサイトから予約可の消防署や日程を検索できる(東京都の場合)ので検討してみてはどうでしょうか。



(おわり)