【1年間観察】手書きの立て看板から学んだこと

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かとみ
千葉で素朴に暮らしています。一番好きなお菓子はふんわり名人きなこ餅です。

店先に置いてある立て看板が好きだ。

立て看板を見かける度に、ちょっと立ち止まって眺めては勝手に頷いている。

みなさんも街を歩いていると、店先の立て看板が目に止まることはないだろうか。

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こちらは射的場の店頭にあったもの。

「SNSで評判のもの入荷」というふんわりした隙がとても良い。

「SNSで評判のものが?!」と、この後すぐお店に入って確かめてしまった。

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こういったメニュータイプの看板は、見かける機会も多いのではないだろうか。

不思議と手書きの文字で書かれた料理は美味しそうに思える。丁寧なパンケーキが出てきそうだ。

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潔い。こんな潔い看板は他にない。とにかく、くろさわさんのアクセルは全開なのだ。

というように、店先の立て看板にはお店の個性がそのまま表れているように思う。

私は、これを眺めるのが好きなのだが、ここ1年ほど夢中になっている立て看板がある。

今回はその話をしたい。

出会いは突然に

その立て看板を初めて見かけたのは、去年の4月28日だった。

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見た瞬間に「良いな」と思った。

ここまでパワーみなぎる文章ってなかなか書けない。私はすぐに写真に収めた。

(※個人名が書いてある箇所は隠してあります。)

4日後、またお店の前を通りがかった時、私は「あっ!」と声を上げた。

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内容が変わってる!

4日前のパワフルな文章とは違うテイストの穏やかな文章が綴られていた。

まさかと思い、1週間後にまたお店へ向かうと……

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やっぱりだ。この看板、更新するんだ!

更新するタイプの看板は初めてだった。

気が付けば、看板の更新が楽しみになっていた。私は毎日のように店先を通り、看板を眺め、写真に収めた。

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ということで、看板の1年間の記録を綴りたいと思う。

同じ看板を1年間眺め続けたら何か見えてくるのか? それとも見えてこないのか?

是非みなさんにも見守っていただきたい。

春から梅雨前にかけて

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こうして並べてみると、春の天気の変わりやすさがよく分かる。

基本は誰が読んでも分かりやすい天気の話題が多いようだ。

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かと思えば、唐突にパーソナルデータの発表があったりもする。

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「うちのかわいいお花に癒されていってください」と右に矢印が伸びていた。

矢印の先を見ると……

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あらまぁ、かわいい……。

時間帯のせいで信じられないぐらい薄暗い写真に仕上がっているが、実物はとても可愛い花たちだった。

それにしても看板外で癒しトリックを仕掛けてくるなんて想定外だ。

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何も書いてない日もあった。こんな日はがっくり肩を落として帰ることになる。

どうやら毎日更新ではないらしい。

更新日は見逃さずにいきたい。

気持ちがいい梅雨

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気持ちがいい。梅雨はとにかく気持ち良くなっちゃう。

湿っぽい時期でも前向きな「気持ちがいい」は、眺める側としても気持ちがいい。

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看板は時に優しく、元気づけ、知識を与えてくれた。

スタミナの夏

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梅雨が明け、いよいよ夏の暑さも本番。

看板では熱中症の注意喚起がよく見られるようになった。

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7月10日「納豆の日」がピックアップされた2日間。

これ以降、語呂合わせの日が登場することはなかったので、レアなケースだったようだ。

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ごく稀に解禁されるパーソナルな情報に感情移入が止まらない。

お父さんプールで頑張っちゃったようだ。お大事にしてほしい。

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夏は季語が多くて表現も豊か。

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料理回。夏野菜を使ったスタミナ料理の数々がお目見えした。

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更新なしの日が続く。

この頃から更新の頻度が落ち始めた。寂しい。

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私もこういうことを言っていきたい。

看板からあふれ出る店長さんの穏やかな人柄に憧れがやまない。

秋を迎えて

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秋に差しかかると、袖が伸びたり引っ込んだりした。

確かに秋は服のチョイスが難しい。

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「インフルエンザの予防接種」「空気の乾燥」など冬を匂わすワードが登場し始める。

冬の到来

実はこの看板、本文の上に

「奥様こんにちは! ◎◎(店名)の●●(店長の名前)です」

というお決まりの自己紹介がくっついている。

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例えばこんな感じ。

看板に出会ってから6ヶ月経過した頃、このお決まりの自己紹介にある変化が訪れた。

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名前の部分にエピソードトークが入りだしたのだ。

日に日に長くなり、最終的には本文をしのぐ分量になった。

ボケているのかいないのか絶妙なラインを攻めてくる。ああ、一体どっちなんだ。本気なの? 冗談なの? 小悪魔的要素にすっかり夢中だ。

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おめでとうございます2連発。

左は丸文字で「ワンダフルな年にしましょうね」 と書いてある。かわいい。

冬が終わり、春を迎える

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季節柄、インフルエンザというワードが見られるように。

豆知識と共に健康を気遣ってくれるコメントに心が癒される。

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こちらの花粉症の心配もしてくれる。

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4月になった。

この看板を眺め始めてから1年が経過したようだ。あっという間の1年だった。

1年間、看板を眺めてみて

看板に書かれていたのは、言ってしまえばささやかで他愛もない言葉だったように思う。

でも、私にとって看板は心のオアシスだった。

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そんなオアシスに書いてあった単語を拾って、表にまとめてみました。

心が乾いた時はこれを眺めて潤したいと思う。

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そして先ほどのオアシスの表から抽出、分類して円グラフにしたのがこちら。

一番登場頻度が高かったのは天気関連の単語(全体の61%)

続いて、プールやインフルエンザなど季節に関する単語(21%)、GWや年末年始など行事に関する単語(10%)という結果が出た。

10回中6回は天気の話題という計算だが、例えば同じ「暑い」という話題でも、「風があって涼しい」と言い方を変えたり、服装を用いて表現するなど、マンネリ化することがなかった。

看板から学んだひとつのこと

心を爽やかにしてくれた看板だったが、ひとつ大きな学びがあったのでお伝えしたいと思う。

私は、エレベーター内での沈黙がすごく苦手だ。

誰かと乗り合わせる度にドギマギしている。特に、顔見知り程度の相手と2人きりはとても厳しい。話しかけないと気まずいが、かといって話題もないパターンだ。

沈黙が背中にずしっとのしかかる。これはエレベーターの重力なのか、気まずさの重みなのか。

このような状況に月3、4回は遭遇するため、日々心をすり減らしていたところだった。

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ある日、私はふと思いついた。

エレベーターで、看板の内容をそっくりそのまま話してみたらどうだろう。

すると、看板に書かれていた話題はちょうど30秒で終わり、乗り合わせた近所の人はニコニコしながらエレベーターから降りていった。

やだちょっと……

看板の内容、エレベーターでの話題にちょうど良い!!

天気、服装、行事、食べ物、健康……

思い返してみれば、数十秒の沈黙を埋めるのにぴったりの話題ばかりだった。

しかも、統計的に10回中6回は天気の話で大丈夫という安心の結果も出ている。

無敵だ。私はどんなエレベーターも恐れない無敵の人になった。

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何気ない会話術を教えてくれた看板に感謝したい。

私はエレベーターで無敵になりました。

ありがとうございました!

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