【ミステリ聖地巡礼】猟奇殺人犯「ハサミ男」の大好物はミートパイ

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2015-10-21 14.55.35
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【ミステリ聖地巡礼】猟奇殺人犯「ハサミ男」の大好物はミートパイ | ハイエナズクラブ

2015-10-21 14.55.35

これがあの猟奇殺人犯が絶賛したミートパイだ!!!!

あいつをついに発見したぞ!!!!!!のろしを!!のろしを上げろーーー!!!

ハッ

すみません、取り乱してしまいました。

突然ですが、みなさんミステリ(推理小説)はお好きですか?

なぜだか斜めに建っている屋敷があったり、どう考えても出入りできない部屋の中で人が刺されて死んでいたり、それを占星術師でもある私立探偵が解決したりする、アレです。(彼は脳科学者になってしまいましたね)

わたしは24歳になるまで読書嫌いで本は一切読まなかったのですが、そんなわたしを読書に目覚めさせてくれたのが、ミステリです。

今回は、わたしのお気に入りミステリの中から、「ハサミ男」という作品をチョイス。

作中に登場する「激ウマミートパイ」を探す旅に出てきました。

ネタバレはありませんので、「ミステリを読んでみたいけど、何から読めばいいのかわからない」なんて人は、この記事を読んだらすぐアマゾンにアクセスして、「ハサミ男」でミステリデビューをキメましょう!(デビューにぴったりの作品ですよ)

既読の人は、わたしがネタバレしないために工夫している様子を見守りつつ、逆に、1か所だけわざとアレがアレだと匂わせている部分がありますので、それを探してみてくださいね。

おいおいみんな!今一番イケてる娯楽は、スプラトゥーンだけじゃなくて、ミステリだぜ!

■一体なんなんだ、ハサミ男

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「ハサミ男」は、1999年に発売された、殊能将之による本格ミステリ小説。

「面白ミステリnaverまとめ」とか、「俺的おすすめミステリベスト10」みたいなブログ記事に必ずと言って良い程登場し、その超大胆なトリックと独特のユーモラスな文体で、いまだに多くのファンを持つ名作です。

〜あらすじ〜

気に入った少女の首に次々とハサミを突き立てて殺害するシリアルキラーであるハサミ男

3番目のターゲットに定めた学芸大学駅に住む女子高生、樽宮由紀子の周囲をつけ狙うのですが、由紀子はハサミ男ではなく、その手口を真似た何者かによって殺されてしまいます。

なんと、首にハサミを突き立てられたその死体を見つけたのは、ハサミ男本人

一体誰が、何のためにやったのか?本物のハサミ男は、偽物のハサミ男を探し始める……

どうですか?あらすじだけでこんなに体が熱くなるストーリー、なかなかありませんよね?

ミステリといえば、探偵もしくはその助手、または事件と無関係な一般人の目線で物語が進行するパターンが多いのですが、この作品はハサミ男という「犯罪者」の目線で「もう一人の犯罪者」を探すというかなり珍しい構成になっていることも、名作と呼ばれる要素のひとつでしょう。

■食事に異様なこだわりを持つ殺人犯、ハサミ男

読んでみると、作中に何度も登場するハサミ男の「食事へのこだわり」に驚かされます。

例えばこんな描写。

わたしはこんがり焼けたトーストにバターをたっぷり塗って、口いっぱいにかじりついた。トーストとは、薄く切った食パンを狐色になるまでよく焼いたものを指す。わたしは四枚切りの食パンなるものをほとんど憎悪していた。

厚い食パンに対する憎悪…。

これはもう、明らかに食事が大好きでたまらない人間の意見です。

hanito

パセラのハニトーなんて見たら、ブチ切れるのでは?

そして、トーストだけでなく、コーヒーにもうるさい奴です。

初めて入った店だったが、値段が高いわりに、たいしておいしいコーヒーではなかった。たぶん、二度とこないだろう。

まずいコーヒーにご立腹のハサミ男。

ファストフードのコーヒーは濃すぎるし、ファミリーレストランのコーヒーは薄すぎる。これが外食産業の第一法則である。

こだわりのあまり、法則まで発見してしまいました。

もううるさいわい、という感じもある

もううるさいわい、という感じもある

ここまでで、ハサミ男が食に厳しい超こだわり派の殺人犯だということが分かっていただけたと思います。

殺人なんてしていないで、レストランでも経営すればいいのに。

さて、そんなハサミ氏が、作中で唯一絶賛する食べ物があるのです。

それが、学芸大学前にある喫茶店「おふらんど」のミートパイ

猟奇殺人犯であり、人に顔を覚えられるような行為は慎まなければならない立場であるにも関わらず、ミートパイを気に入りすぎてしまったために、作中で4度もおふらんどを訪れています。

〈おふらんど〉という変わった名前のその店は、まずまずのコーヒーを飲ませた。(中略)やがて運ばれてきたミートパイは、トマトソースがたっぷりかかっていて、店主自ら推奨するだけのことはあった。

これは、クールなハサミ男なりの、ベタ褒め…!

二日つづけて樽宮由紀子が外出するかどうかはわからなかったが、むだ足でも、おいしいミートパイは食べられる。

すっかりミートパイがお気に入りのハサミ男。ターゲットの尾行をしながら、こんなことまで言っています。

猟奇殺人犯が危険を冒してでも食べたいミートパイ。

一体どれだけおいしいんだ〜!食べたい!食べた〜い!

夢がひろがりんぐとはこのこと

夢がひろがりんぐとはこのこと

という訳で、ミートパイを求めて学芸大学駅へと行ってきました。

■まずは、ハサミ男の行動を追う

物語の冒頭。

ターゲットである樽宮由紀子の住所を手に入れたハサミ男は、その自宅の場所を確認するべく、学芸大学駅を訪れます。

学芸大学駅で電車を降り、自動精算機で乗り越し料金を精算して、外に出た。高架の駅を横切って、こぢんまりとした商店街がのびていた。書店、食堂、雑貨品店、電気店、立ち食いそば屋。どこの私鉄沿線にもありそうな、ありふれた店が並んでいた。

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わたしも、文庫本を片手にハサミ男が歩いた道を辿ってみることに。

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確かに、駅を出るとすぐに商店街です。

ハサミ男はこの商店街を抜けて、目黒通りに出た模様。

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そしてこれが、商店街入り口にある何の変哲もない書店です。

しかし、ファンの方ならピンときたでしょう。

そう、ここがハサミ男が5回目の待ち伏せに利用した書店だと思われます。

3回目、4回目は「おふらんど」の窓際の席で待ち伏せをしたハサミ男。

本当は5回目も「おふらんど」でミートパイを食べながら待ち伏せしたかったのですが、さすがに3日連続で行くのはマズいと判断して、書店で待ち伏せしたのでした。

何を読みながら待ったのでしょうね

何を読みながら待ったのでしょうね

ですが、残念ながら、肝心の「おふらんど」らしき喫茶店は見当たりません。

がっかりしつつも、とりあえず進みます。

商店街を抜けてからの道のりは、作中で詳細に書かれていました。

商店街の終端を告げるアーケイドを抜け、細い舗道を進んだ。右手に高い金網が見えはじめ、その向こうに、ずんぐりむっくりしたビルが建っていた。屋上には、めでたくも紅白に塗り分けられた巨大な鉄塔をのせている。NTT目黒支局。

書かれている通りに歩いていくと……

あったー!!

あったー!

本当にありました。なんだか嬉しい。

鉄塔を通り過ぎると、目指していた目黒通りへと出ます。

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ここから、由紀子の自宅、「鷹番4丁目」にある「デゼール碑文谷」の方へと向かうはずなのですが…

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鷹番は3丁目までしかない!

完全に架空の住所みたいですね。

ところで、ハサミ男は「鷹番」をずっと”たかつがい”と勘違いしています。

正しくは”たかばん”であり、その間違いにバス停の表記によって気づく、という激萌えお茶目シーンがあるのですが、そのバス停がこちら。

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TAKABAN!

鷹の夫婦はやっぱりいませんでしたね

ハサミ男ちゃん、これを見てハッとしたんだな〜。かわいい〜。

こういう、本筋とは全く関係がないけれどクスっと笑えるようなエピソードが、決して主張しすぎることなく、淡々と盛り込まれているのも殊能作品の魅力です。

そして、鷹の夫婦はやっぱりいませんでした。

鷹番の路地へと入り、ハサミ男の真似をして、マンションの名前をひとつひとつ見ていきます。

デゼール碑文谷…デゼール碑文谷…。

おっ惜し…くもないか

おっ惜し…くもないか

やっぱり架空のマンション名か〜と思いながらふらふらと住宅街を歩いていると、道端に突然警察官が。

やばい!すぐに建物の影に身を隠します。

…えっ?

わたしは猟奇殺人犯ではないし、ただ散歩しながらマンションの名前を見ているだけの無職だということを思いだしました。

すっかりハサミ男の気分になりきっていた自分に気が付き、顔が真っ赤に。

びびりながら遠巻きに撮影

びびりながら遠巻きに撮影

■ミートパイ発見!

残念ながら、駅前に「おふらんど」は存在しませんでした。

しかし、学芸大学にはミートパイがあるのです。

それがこちらのお店。

ブティックみたいだけど、パン屋

ブティックみたいだけど、パン屋

店名は「キャトル」といって、「おふらんど」のモッサリ感とは真逆のオシャレさですね。

店内はとても広く、パンやケーキが宝石のように並べられています。

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ありました!

ミートパイです!!!!

……おやおや??

全国のファンのみなさんからの「いやいやいやいや〜!」という声が聞こえますね〜。うんうん。わかりますわかります。

確かに、「おふらんど」のミートパイには、トマトソースがかかっていると書かれています。

しかもここは喫茶店ではなくパン屋だし、条件を全く満たしていません。

でもまあ細かいことは置いておいて、これをあの場所で食べながら、気分に浸りきってみるというのはどうでしょうか。

そうです。

樽宮由紀子が殺された公園です。

■あの公園は、こんな感じだろうか

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樽宮由紀子が「偽ハサミ男」に殺害されたのは、自宅近くにある公園です。

女子高生が公園で死ぬなんて、こんなに切ないことはありませんね…。

由紀子を待ち伏せるも空振りに終わり、諦めて帰る途中のハサミ男が、その死体を発見します。

空振りだったのはすでに殺されていたからか〜い!ドッヒャ〜!という塩梅ですね。

しかも、その死体には、自分の手口と同じように首にハサミが突き立てられていたわけです。

引用文からも想像できる通り、ハサミ男はクールな人間です。

「まるで自分が殺したような」この死体の第一発見者となったハサミ男は、一体どんな反応をしたでしょうか?

由紀子を殺していなくとも、叩けば埃の出る身です。

警察が来る前にあわてて逃げだした?

それとも…?

さて、その公園は、作中には「小さくて」「芝生で」「ジャングルジムとシーソーがある」公園だと書いてあります。

しかし、鷹番・碑文谷のあたりを散策してみると、大きな区立公園がひとつあるためか、それ以外に条件を満たすような小さな公園はほとんどないのです。

一番自分の中のイメージに近いと感じたのが、この公園。

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芝生ではありませんが、ちらほらと遊具もあり、少し寂しげな雰囲気。

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ハサミを投げ込むんなら、ここかな…。

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ベンチに腰掛け、憧れのミートパイを食べてみます。

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たっぷりの牛肉と玉ねぎが……!

ん〜〜〜〜〜!!!

はははははは!!わたしとしたことが、こんな簡単なことを見落としていたとはね!!

これから真実をすべてお話しよう。

きみ、すぐに関係者を集めてくれ給え!

ハッ

あまりのおいしさについ探偵口調になってしまいました。

これは、かなりのおいしさです。

しあわせ〜

しあわせ〜

取り出した瞬間に、体全体がバターの香りに包まれます。

かじってみると、パイはサクサクで、塩味が強め。

逆に、中の牛肉は肉本来の味がわかるように最低限の味付けで、パイと一緒に口に入れると、涙が出そうなほど最高のハーモニーです。

これは、ハサミ男も大満足の味だとおもいます。

それとも、「おふらんどの方がずっとおいしい」なんて言うでしょうか。

■あれは…おふらんど?

ミートパイでお腹が満たされたところで、駅の反対側に気になる店を見つけました。

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き、喫茶店だ!

しかも、店名が平仮名で「あんぐいゆ」!

なんとなく関連性があるような…ないような…。

しかし、ドキドキしながら入店するも、ミートパイはないとのこと。

カウンターに腰を下ろし、お店自慢のブレンドコーヒーをいただくことに。

そういえばコーヒーも、ハサミ男の好物のひとつですね。

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あんぐいゆのブレンドコーヒー。

口に入れると一瞬の苦みの奥にマイルドなコーヒーの味が広がって、とてもおいしい。

ミートパイと同様、ハサミ男も満足の味でしょう。

穏やかなマダムが丁寧に入れてくれる様子を見ているだけで、心が休まります。

文庫本片手に、ハサミ男を追いかけた1日。

自分の頭の中で物語と現実が入り混じって、物語の中に入り込んでしまったような、なんとも不思議な気分を味わうことができました。

みなさまも、こんな休日の過ごし方はいかがでしょうか。

好きな作品の登場人物が、ここを通ったのかあ。なんて考えながらお散歩すると、結構楽しいものですよ。

hasami

わたしの食のこだわり、シチューにはライス。

でもハサミ男はパンが好きみたいだから、パン派なんじゃないかと思います。

こだわり談義をしてみたいです。

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